2018 Fiscal Year Annual Research Report
我々が新しく発見したNK細胞subsetの機能解明と養子免疫治療への応用
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18H04060
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米満 吉和 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40315065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 結 九州大学, 薬学研究院, 助教 (00608507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NK細胞 / 固形腫瘍 / 再生医療等製品 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近の報告によると、中和抗体にてNKG2Aの機能を阻害することにより、CLL・AMLなどの腫瘍細胞に対するNK細胞の殺細胞活性が上昇する報告が散見されており(McWilliams EM, et al. Onco-Immunology 2016、Ruggeri L, et al. Haematologica 2016) 、これらの結果は我々独自の技術で作成した高活性NK細胞: GAIA-102の性質とも矛盾しない。そこで2018年度は、特許取得済みのGAIA-102の培養系のアドバンテージを最大に活かし、この全く新しく極めて高い抗腫瘍活性を有するNK細胞の生物学的な意義について、特に‘ Emergency NK’としての性質の観点から解析を行い、臨床応用のための基盤データ取得を進めた。 GAIA-102は固形腫瘍モデル実験において極めて高い浸潤能・傷害能を発揮し、それらは第二世代CAR-Tを遥かに凌ぐものであった。そこで、ケモカイン受容体および接着分子群の発現パターンの解析を行ったところ、驚くべきことに既知のNK細胞のそれらとは大きく異なる特徴を有していることが明らかとなり、臨床においても固形腫瘍に高い奏功を示すことが期待された。 また、腫瘍由来横断的に30を超える細胞株に対する傷害活性を測定したところ、いずれに対しても既報の如何なるエフェクター細胞よりも高い傷害活性を示した一方、正常細胞に対しては一切傷害活性を示さなかった。それは抗体医薬品の存在下であっても変わらず、ADCC活性は示すものの正常細胞は傷害しないことが確認できた。 この特徴的なPhenotypeについて、上記第二世代CAR-T並びにPrimary NK細胞との比較を行うべく発現アレイを実施、特徴的な発現パターンを確認するとともにPCAによりその生物学的な特徴の解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GAIA-102の培養系を用いた安定した活性化NK細胞製造技術により、当初計画していた解析は順調に進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、NK細胞の「ライセンシング」および機能・活性に与える影響を精査していく。その生物学的な意義に迫るため、in vivoでの挙動並びにその発生過程についても研究を進める予定である。
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