2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the comprehensive support system to enhance the use of National Database of Health Insurance Claims and Specific Health Checkups of Japan (NDB)
Project/Area Number |
18H04076
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 源太 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20571277)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 知宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (10304156)
後藤 励 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 准教授 (10411836)
酒井 未知 京都大学, 医学研究科, 研究員 (10604697)
河添 悦昌 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10621477)
佐藤 大介 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (10646996)
満武 巨裕 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)), 研究部, 上席研究員 (20501802)
大寺 祥佑 京都大学, 医学研究科, 助教 (20751720)
田村 寛 京都大学, 国際高等教育院, 教授 (40418760)
田辺 正樹 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (50456737)
岡本 和也 京都大学, 情報学研究科, 研究員 (60565018)
平木 秀輔 京都大学, 医学研究科, 助教 (60781523)
中山 健夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (70217933)
野田 龍也 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70456549)
松居 宏樹 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70608794)
今村 知明 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80359603)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 匿名レセプト情報等データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2つの課題として「1:適切なデータ抽出・加工が難しい」ことと「データ抽出・加工の知識が利用者間で共有されない」ことを掲げ、前者に対し「適切なデータ抽出・加工の知識の定型化」、後者に対し「日本版ResDACによる研究者支援」を研究の柱に据え、2018年度に引き続き、レセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)において、NDBの基礎知識を有さない利用者への支援をもとに蓄積された、研究支援の実務および運用の知見が成果として位置づけられる。 「適切なデータ抽出・加工の知識の定型化」の一環としては、利用者が該当患者の抽出のため必要となるSQLコード作成に必須のNDBの基礎知識を提供し、研究者らの準備期間の短縮につなげた。「日本版ResDACによる研究者支援」の一環としては、各種書類手続きや安全な運用のための鍵管理といった事務的支援を、引き続き一定程度我々が代行するとともに、その支援を極力、前年度と異なる担当者に委ねるようにして、「慣れた人」に紐づいてしまいがちな支援業務を、担当者の変更に耐えられるよう定型化することに努めた。また、厚生労働省と共同で京都大学外の利用者に対してNDBオンサイトリサーチセンター(京都)の利用に門戸を開き、受け入れ、および利用者支援を開始した。ただし、データ入手にあたっての最終手続きに時間を要したのと、年度末のコロナ禍により当施設への来院制限がかかってしまったため、2019年度は手続きの支援やSQL文の共有等にとどまり、実際に来院してもらったうえで研究支援を行うことはできなかった。 更に、2020年度から認められるNDBデータの民間開放を見据えて、利用者支援の対象を、2020年度からは研究リテラシーを備えた一般研究者だけでなく民間企業に所属する者に広げることを計画し、民間で利用を検討する者に対して必要な知識を整備することを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における2つの研究の柱、「適切なデータ抽出・加工の知識の定型化」および「日本版ResDACによる研究者支援」についての現実的な知見を得るためのフィールドとして2018年度に構築した、レセプト情報等オンサイトリサーチセンター(京都)での研究利用を支援する体制を2019年度も継続するとともに、担当者を変更させても支援が継続できるよう定型化したことが2019年度の成果であり、これをもって本研究は順調な進捗を得たものと認識している。 「適切なデータ抽出・加工の知識の定型化」については、我々が支援した研究者のリテラシーは多様であったが、総じてSQLの知識を備えている場合が多かったため、むしろNDBの構造やIDの管理など、レセプトデータやNDBの特徴についての知識を整理して提供することが多かった。これらの知識はテキストブックのような形式で世に出ているものが存在しないため、むしろ研究者のニーズが高いものであることが確認できた。その成果は第39回医療情報学連合大会でのシンポジウムにおいて、我々が支援したNDB利用者からも研究者支援の重要性について経験に基づいた見解を披露いただき、当研究事業の重要性を関係者間で共有することができた。また、分担研究者である今村・野田が主催する「第2回NDBユーザー会」に、分担研究者の松居らとともに参加し、当学におけるNDB利用者への我々の支援動向について情報提供し、関係者間での情報共有を深化させた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究が掲げている2つの研究の柱はこれまで通り堅持し、引き続き当学関係者に限らず、オンサイトリサーチセンターの利用者、あるいはその他NDB利用者に対しての支援活動を通じて、NDB利用者が研究に専念しやすい環境を汎用性高く確立させることを目標に知見を蓄え、適切な運用体制について検討していく予定である。これに加えて、研究開始当初は具現化されていなかった「NDBの介護DBとの連結」および「民間開放」についても、対応できる支援体制の確立が必要であると考える。前者については、しばしばNDBには欠けているとされる患者の全身状態やADLを示す情報を要介護認定情報などから補うことが出来うる点で期待が大きいため、研究代表者らも実際に介護DBを入手、運用し、NDBにない情報で介護DBが補える情報としてどのような項目が活用可能か、という知見を蓄える必要があると考える。後者については、民間利用者というきわめて多様なバックグラウンドの、かつ基本的にはNDBにこれまで接したことのない人々への支援になることから、データ利用にあたっての前提となる知識の格差が利用者間で非常に大きいと想定され、研究者支援以上に、幅広い支援活動が求められると想定される。一方で、それだけ多様な利用者において、どういった知識が必要となり、どういった事前学習がNDBの円滑な利用に必須であるかを整理する試みはこれまでなされたことはない点で、本研究において積極的に推進していくべき課題であると考えている。
|
Research Products
(38 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 腎移植におけるKDQOL、EQ5D5Lを用いたQOL評価2020
Author(s)
澤田 篤郎, 小林 恭, 平木 秀輔, 田村 寛, 後藤 励, 松山 陽子, 坂井 薫, 宮田 仁美, 黒田 知宏, 柳田 素子, 小川 修
Organizer
日本臨床腎移植学会
-
-
-
-
-
-
[Presentation] レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いた1億人規模の臨床研究 保険診療糖尿病患者の急性冠症候群の発生率2019
Author(s)
岡田 定規, 西岡 祐一, 久保 慎一郎, 明神 大也, 野田 龍也, 東野 恒之, 峯 昌啓, 福島 由子, 小泉 実幸, 中島 拓紀, 中上 純子, 紙谷 史夏, 桑田 博仁, 毛利 貴子, 赤井 靖宏, 今村 知明, 石井 均
Organizer
日本糖尿病学会年次学術集会
-
[Presentation] レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いた1億人規模の臨床研究 日本の保険診療患者の糖尿病薬処方開始率2019
Author(s)
毛利 貴子, 西岡 祐一, 久保 慎一郎, 明神 大也, 野田 龍也, 東野 恒之, 峯 昌啓, 福島 由子, 小泉 実幸, 中島 拓紀, 中上 純子, 紙谷 史夏, 桑田 博仁, 岡田 定規, 赤井 靖宏, 今村 知明, 石井 均
Organizer
日本糖尿病学会年次学術集会
-
[Presentation] レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)による保険診療の実態調査 日本の糖尿病患者の処方の実態2019
Author(s)
桑田 博仁, 西岡 祐一, 久保 慎一郎, 明神 大也, 野田 龍也, 東野 恒之, 峯 昌啓, 福島 由子, 小泉 実幸, 中島 拓紀, 中上 純子, 紙谷 史夏, 毛利 貴子, 岡田 定規, 赤井 靖宏, 今村 知明, 石井 均
Organizer
日本糖尿病学会年次学術集会
-
-
[Presentation] レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いた1億人規模の臨床研究 日本の保険診療糖尿病患者の下肢切断術施行率2019
Author(s)
紙谷 史夏, 西岡 祐一, 久保 慎一郎, 明神 大也, 野田 龍也, 東野 恒之, 峯 昌啓, 福島 由子, 小泉 実幸, 中島 拓紀, 中上 純子, 桑田 博仁, 毛利 貴子, 岡田 定規, 赤井 靖宏, 今村 知明, 石井 均
Organizer
日本糖尿病学会年次学術集会
-
[Presentation] レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いた1億人規模の臨床研究 日本の保険診療糖尿病患者の透析導入率2019
Author(s)
久保 慎一郎, 西岡 祐一, 野田 龍也, 明神 大也, 東野 恒之, 峯 昌啓, 福島 由子, 小泉 実幸, 中島 拓紀, 中上 純子, 紙谷 史夏, 桑田 博仁, 毛利 貴子, 岡田 定規, 赤井 靖宏, 石井 均, 今村 知明
Organizer
日本糖尿病学会年次学術集会
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Current Status of Long-Term Dual-Antiplatelet Therapy After Percutaneous Coronary Intervention in Japan: Findings From the National Database2019
Author(s)
Koshiro Kanaoka, Satoshi Terasaki, Yuichi Nishioka, Shinichiro Kubo, Tomoya Myojin, Tsunenari Soeda, Tatsuya Noda, Makoto Watanabe, Rika Kawakami, Tomoaki Imamura, Yoshihiko Saito
Organizer
American Heart Assocaiation
Int'l Joint Research