2018 Fiscal Year Annual Research Report
Performance improvements of algebraic statistical methods
Project/Area Number |
18H04092
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
竹村 彰通 滋賀大学, データサイエンス学部, 教授 (10171670)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 計算代数統計 / ホロノミック勾配法 / グレブナー基底 / 多数量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
分割表で独立性の検定を正確検定を用いておこなう際の検出力を評価する際には、分割表で周辺頻度を固定した場合に現れる一般化超幾何分布の推測をおこなう必要がある。これについて一般化超幾何分布の基準化定数及び期待値パラメータに関する挙動に関する結果(Takayama, Kuriki and Takemura, "A-Hypergeometric Distributions and Newton Polytopes" Advances in Applied Mathematics, 99, 109-133, 2018) を得て、一般化超幾何分布の最尤推定の性能を向上することができた。また、統計学以外への応用として、無線通信分野における多入力多出力系(MIMO, Multiple Input Multiple Output)の復号方式の性能評価へのホロノミック勾配法の応用では、複素多変量正規分布や複素ウィシャート分布が用いられるが、beamforming と呼ばれる通信方式の性能を調べるための非心複素ウィシャート分布の最大根の分布関数に関するホロノミック系の性質について Vidunas and Takemura, "Differential relations for the largest root distribution of complex non-central Wishart matrices" (in The 50th Anniversary of Grobner Basis, edited by Takayuki Hibi, Advanced Studies in Pure Mathematics, 77, 411-436. 2018) において、低次元の場合の詳しい性質を調べ、特に2次元ではホロノミック系のほぼ完全な記述が得られた。3次元の場合についても詳しい検討をおこない、一部の微分方程式は一般の次元でも成立することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
離散多変量解析の分野では分割表の上の一般化超幾何分布の推測について結果が得られ、連続多変量解析の分野では複素ウィシャート分布論で結果が得られており、研究は順調におおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ホロノミック勾配法の課題として、初期点の選択と、初期点と目的とする点を結ぶ積分路の選択について、個別の問題での工夫が必要とされるが、さらにいくつかの具体的な問題を研究することにより、これらの選択に関する実際的な指針を示すべく研究を進める。
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