2021 Fiscal Year Annual Research Report
Performance improvements of algebraic statistical methods
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18H04092
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
竹村 彰通 滋賀大学, データサイエンス学部, 教授 (10171670)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 数理統計学 / 統計的推測 / 仮定 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は多変量解析におけるホロノミック法の概要と成果について、次の論文で発表することができた。Akimichi Takemura (2021) Holonomic gradient method for multivariate distribution theory. In: Filipiak K., Markiewicz A., von Rosen D. (eds) Multivariate, Multilinear and Mixed Linear Models. Contributions to Statistics. Springer, Cham. 1-15. doi:10.1007/978-3-030-75494-5_1. この論文では、具体的な例を用いてホロノミック関数の定義や性質をわかりやすく示すとともに、研究代表者によるこれまでのホロノミック勾配法に関する成果を示した。この論文は、Filipiak等の編集による論文集の巻頭論文として収録されたものである。 さらに以下の論文がオンライン刊行済みである。Satoshi Kuriki, Akimichi Takemura, Johathan Taylor (2022) The volume-of-tube method for Gaussian random fields with inhomogeneous variance, https://doi.org/10.1016/j.jmva.2021.104819. この論文では、チューブ法において分散が不均一であるというこれまで扱われていなかった場合について結果を得ており、例題としてはホロノミック勾配法でも扱ったウィシャート行列の最大根の分布の裾確率を評価している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したように,ホロノミック勾配法に関するサーベイ論文、及び、チューブ法で分散が不均一である場合の結果を得て論文として刊行することができた。このような研究は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
ホロノミック勾配法の実装においては、1) 初期点の選択と、2) 初期点から目的とする点までの積分経路の選択、の二つの選択が重要である。初期点の選択では原点などの自明な点は微分方程式系の特異点であることが多く、特異点から少し離れた点を初期点とする必要がある。初期点の選択については本研究において経験を積んできたが、積分経路の選択については自然な座標についての直線を用いるなど、これまでは単純な経路を選択しており、積分経路の最適化の検討は不十分であった。特に関数とその微分の絶対値が極端に大きくなったり小さくなったりする経路は避けなければならない。そこで、いくつかの実際的な例題を用いて、関数とその微分の絶対値が一定の範囲におさまるような方向に進んでいくような積分経路の選択のヒューリスティックスについて研究を進める。
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