2018 Fiscal Year Annual Research Report
Fluid-Structure Interaction Modeling of Heart Valves and Red Blood Cells
Project/Area Number |
18H04100
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
滝沢 研二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60415809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 陽介 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任准教授(常勤) (60431524)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 接触 / 厚み / 流体構造連成 / 心臓弁 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓弁の開閉に伴い、その内側を流れる赤血球を含む血液は 1) 流速 3 m/s から急激に静止する強い非定常性、2) 弁尖同士に挟まれるという特異性がある。そのため、実験による観測が極めて困難である。さらに、これまでの数値計算ではこのようなものは再現出来ていない。そこで、この弁の開閉や赤血球の挙動およびそれらの相互作用を再現する手法を構築し、この現象を詳しく知ることを目的としている。
本年度は弁近傍と赤血球に関する2点を中心に研究を進めた。まず、心臓弁に関しては弁の厚みの影響が重要であることを突き止めた。そもそも、非定常性の強い弁近傍の状態において弁の厚みは物理的に無視し難いということ、また実際に、厚みゼロとして計算していた従来の方法は、360度曲がっている状態となるため、その点における壁面せん断応力の表現方法が悪いことが分かった。そこで、厚みを表現するとともに滑らかな弁尖の再現している。これによって、弁尖の裏表の間に生じる壁面せん断応力を適正に表現できている。なお、これらのテスト計算においては、全体像を掴むためにまずは埋め込み境界法を用いた流体構造連成解析を用いた。これにより、流体構造連成問題のような複雑な動きのときにも、計算格子を動かすことが実現できることを確認した。 赤血球に関しては当初より境界要素法を用いるタイプ・埋め込み境界法・物体適合格子を使うタイプを検討し、それぞれの欠点・利点を検討した。中でも制限の多い境界要素法について、活用するアイディアを検討するとともに文献の調査も行った。また赤血球の膜を表現する新たなモデルを考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心臓弁の開閉に伴い、その内側を流れる赤血球を含む血液は 1) 流速 3 m/s から急激に静止する強い非定常性、2) 弁尖同士に挟まれるという特異性がある。そのため、実験による観測が極めて困難である。さらに、これまでの数値計算ではこのようなものは再現出来ていない。そこで、この弁の開閉や赤血球の挙動およびそれらの相互作用を再現する手法を構築し、この現象を詳しく知ることを目的としている。
本年度は弁近傍と赤血球に関する2点を中心に研究を進めた。まず、心臓弁に関しては弁の厚みの影響が重要であることを突き止めた。そもそも、非定常性の強い弁近傍の状態において弁の厚みは物理的に無視し難いということ、また実際に、厚みゼロとして計算していた従来の方法は、360度曲がっている状態となるため、その点における壁面せん断応力の表現方法が悪いことが分かった。そこで、厚みを表現するとともに滑らかな弁尖の再現している。これによって、弁尖の裏表の間に生じる壁面せん断応力を適正に表現できている。なお、これらのテスト計算においては、全体像を掴むためにまずは埋め込み境界法を用いた流体構造連成解析を用いた。これにより、流体構造連成問題のような複雑な動きのときにも、計算格子を動かすことが実現できることを確認した。 赤血球に関しては当初より境界要素法を用いるタイプ・埋め込み境界法・物体適合格子を使うタイプを検討し、それぞれの欠点・利点を検討した。中でも制限の多い境界要素法について、活用するアイディアを検討するとともに文献の調査も行った。また赤血球の膜を表現する新たなモデルを考案した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年の研究を踏まえて次年度以降の研究推進の方策を固めている。1つ目は、境界要素法の利用を控えるという点である。境界要素法には利点がたくさんあるものの、その利点が生まれる主な理由は部分的に解析的な解を利用できることに有る。これは逆に言うとコンディションが制限されることになりスピーディーな研究には追従しにくいと判断した。したがって、来年度以降は埋め込み境界法・物体適合格子によるNavier-Stokes方程式をベースとする解析手法を中心に用いることとする。また、弁に厚みを付けていることに関しては、弁開閉近傍の流れに解像度が必要であることからさほどデメリットとは感じておらず、このまま進めれば良いと考えている。
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Research Products
(17 results)