2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fluid-Structure Interaction Modeling of Heart Valves and Red Blood Cells
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18H04100
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
滝沢 研二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60415809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 陽介 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60431524)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 接触 / 厚み / 流体構造連成 / 心臓弁 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓弁の開閉に伴い、その内側を流れる赤血球を含む血液は 1) 流速 3 m/s から急激に静止する強い非定常性、2) 弁尖同士に挟まれるという特異性がある。そ のため、実験による観測が極めて困難である。さらに、これまでの数値計算ではこのようなものは再現出来ていない。そこで、この弁の開閉や赤血球の挙動およびそれらの相互作用を再現する手法を構築し、この現象を詳しく知ることを目的としている。 本年度は弁の開閉時付近の流れを詳細に理解するために高解像度計算を実施した。まず容易にできる方法として時間解像度のみを上げた。もともとSpace-Time法は時間3次精度であるため多くの計算法よりは精度が高いため時間刻み幅を大きめにとることが多かったがアイソジオメトリック解析における空間解像が高いため1/5の時間刻み幅にしても解の品質がさらに上がることがわかった。この品質とは解像される渦の量で評価したが細かい渦がはっきりと解像されるようになった。これは弁が閉じる際に格子間隔が狭くなることからこの時相のにおける空間解像度の高さを表していると言える。この解像度に基づき、これまでとは異なり圧力駆動による解析を実施した。圧力駆動では、非圧縮コンディションを計算条件で満たすための補正などが不要になり、正しい現象に近づくとともに計算も容易になった。本年は構造解析についても発展があった。これまで弁のように薄肉モデルには平面応力近似を用いてきたが本年の研究でこの近似が不要であることがわかった。これにより弁の厚みを考慮した際に曲率の存在による面積の違いを考慮することができるようになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予定していたものに加えて新たな発見があり高解像計算が想定よりも容易であることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、赤血球の運動と流れの連成解析を実施する予定であるが、これまでの検討では赤血球を解像する計算は計算コスト上広い範囲で行えないことがわかっている。そのため、バックグラウンドの流体を境界条件とした移動境界問題として取り扱う予定である。事前に赤血球を含まない計算に基づいて興味のある箇所を同定し、そのような箇所に関連する領域を切り取り赤血球の挙動解析を実現するというプランを計画している。最初に流れの解析を一旦行うことで時刻を逆に戻した解析が可能であることから、最終的に異なる状況に行き着く初期条件を探すことで解析回数を少なくする。このプランに基づいて基礎検討を行なった上で、最終目標を実現するための準備を行う。
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Research Products
(13 results)