2019 Fiscal Year Annual Research Report
High-Energy Neutrino Universe Explored by upgraded IceCube observatory
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18H05206
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 滋 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (00272518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 遼 千葉大学, 大学院理学研究院, 特任助教 (00801672)
石原 安野 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (40568929)
間瀬 圭一 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (80400810)
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Project Period (FY) |
2018-04-23 – 2023-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 南極 / 宇宙線 / 素粒子実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
D-Egg 検出器 batch #1 を50台製造した。クリーンルーム内の組み立て治具を整備し、生産ラインの動線を検討した上で、製作手順を最適化し、詳細なマニュアルを作成した。毎週3名の人員をクリーンルーム施設に派遣し、組み立て作業を行った。また検出器内に実装するデバイスとして唯一開発を終えていなかったLED光源回路も開発・設計・製作を終え、batch #1 検出器に実装した。D-Egg 検出器の頭脳であり、全体を制御するメイン電子回路も試作品評価によって更なるノイズ低減の方策を策定・実現した。回路基板は本製作へと進み、実験遂行に必要な枚数の製作を行った。製作したD-Egg検出器の一部を、振動・温度ショック・引っ張り試験を行い、南極輸送に耐えられることを確認した。
D-Egg 製作状況をリアルにモニターし、部品管理・スケジュール管理を行うデータベースを構築し次年度から始まる100台規模の製造の体制を整えた。
光検出器アレイと電波検出器アレイを統合したシミュレーションプログラムをメタプロジェクトとして構築した。これを基に最初のシミュレーション研究を開始し、チェレンコフ光と電波放射の同時測定にかかるイベントの傾向について分析した。電波検出器を光検出器アレイ内部に密に実装することが、より幅広いエネルギー帯でニュートリノ事象検出数を最大化する可能性があることが分かり、このオプションを引き続き検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
台風の被災などに伴い予期せぬ遅れはあったものの、対処できる範囲の遅延に収まり、予定どおり batch #1 の D-Egg 検出器製作は終了した。シミュレーション研究についても、必要なコード開発は予定通り推移しており、本研究期間内に結果を出す見込みが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
D-Egg 検出器の batch #2 の製作・量産、および大規模性能確認試験(FAT)の設備の建設を完遂する。これにより製作した batch #1、#2 の氷点下40度環境における動作試験を始め、南極現地に出荷する体制を整える予定である。シミュレーション研究においては超高エネルギー宇宙ニュートリノ事象の計算時間を高速化するための技術開発に着手する。
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Research Products
(11 results)