2020 Fiscal Year Annual Research Report
Multiscale Interfacial Molecular Science for Innovative Functional Materials
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18H05260
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00167769)
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Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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Keywords | 超分子化学 / 界面 / 超分子ポリマー / 多孔性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.酸化チタンナノシートと水のみからなるハイドロゲルが、温度や光などの刺激に応答して内部のネットワーク構造を動的に組み換えることで、力学物性を可逆的かつ高速に変化させることを見いだした。さらに、微量の光熱変換ナノ粒子を添加することで、このハイドロゲルの物性を光刺激によって時空間的に制御することにも成功した(Nature Commun. 2020, 11, 6026)。本研究成果は、これまで高分子材料などの有機物質に頼ってきた刺激応答性ユニットとして、無機物質を利用するという新戦略を提示し、次世代スマートマテリアルの新たな設計指針になると期待できる。 2.ジアリールエテン誘導体と様々な金属イオンや異種配位子を組み合わせるうち、光照射によって結晶化・溶解させることが可能な多孔性結晶を発見した。配位結合からなる結晶性ネットワークの組み替えを光によって誘起することで、多孔性結晶の溶解度の劇的な変化を生み出すことに成功した(J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 14069)。この可逆的な結晶化、溶解を利用することで、光による高効率のゲスト放出にも成功した。 3.生体分子機械シャペロニンGroELの特異なチューブ構造とDNAナノテクノロジーを組み合わせることで精密三元超分子共重合体の合成に成功した。リング状サブユニットの上下を異なるDNA鎖で修飾したGroELの合成方法を確立し、相補鎖DNAとの超分子重合を試みた。透過型電子顕微鏡により、得られた共重合体は、当初予想した一本鎖共重合体ではなく、横方向につながったラメラ集合体の形で形成されていることを確認した(J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 13310)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究項目に加え、多孔性結晶に関する発見など新たな展開が広がってきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究研究は現在までのところは総じて順調に達成されている。今後はこれまでに得られた成果を元に、申請時の研究計画に従った研究を遂行していくとともに、新たに見出された知見に基づいた展開も進めていく。
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