2022 Fiscal Year Annual Research Report
Uncovering the secrets of lipid-transporting ABC proteins
Project/Area Number |
18H05269
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植田 和光 京都大学, 高等研究院, 特定教授 (10151789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 泰久 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10415143)
笠井 倫志 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 特任准教授 (20447949)
古寺 哲幸 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (30584635)
中津 亨 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (50293949)
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60263125)
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Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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Keywords | ABC蛋白質 / ABCA1 / コレステロール / 細胞内輸送 / Aster-A / 細胞膜ー小胞体コンタクトサイト / メダカ / 生殖反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内のコレステロールの大部分は細胞膜に存在しているにもかかわらず、細胞内コレステロール恒常性の中心は小胞体膜に存在するコレステロール・センサーScapが担っている。Scapがどのようにして細胞膜コレステロール濃度を感知しているかは、これまで長年にわたって謎であった。本研究において、そのメカニズムを初めて明らかにした。細胞膜において、ABCA1はコレステロールを内層から外層へ移動させ、細胞膜内層のコレステロール濃度を小胞体の濃度である5 mol%以下に維持している。内層コレステロールが5 mol%を超えるとAster-Aは細胞膜―小胞体コンタクトサイトに留まり、過剰なコレステロールを小胞体へ移送する。このようなABCA1とAster-Aの協調的な働きによって、SCAPは細胞膜のさまざまな場所でのコレステロール濃度の上昇を総和として感知することが可能となる。さらに、脊椎動物のモデル動物であるメダカを用いて、ABCA1のHDL産生以外の生理的役割の解明を試みた。メダカには、Abca1ホモログ遺伝子が3つ (Abca1a, Abca1b, Abca1c)存在し、それぞれ異なる組織特異的発現パターンを示した。CRISPR-Cas9システムを用いて各Abca1遺伝子単独欠損個体を樹立したところ、特にAbca1a欠損メス個体に産卵異常が観察された。Abca1a欠損メス個体の血中のHDL濃度や性ホルモンは正常であった。ABCA1aは、卵胞の再外層細胞で発現しており、Abca1a欠損メス個体の卵胞には野生型よりコレステロール蓄積が観察された。さらに、野生型メスの卵胞にコレステロールを添加したところ、in vitro排卵反応が阻害された。以上の結果から、ABCA1によるコレステロール濃度調節が産卵反応の制御にとって重要であることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)