2020 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic regulation of RNA modification and biological process
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18H05272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 勉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20292782)
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Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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Keywords | RNA修飾 / エピトランスクリプトミクス / メタボライト / タンパク質合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、RNA 修飾の変動と制御という新しい概念を確立し、エピトランスクリプトミクス研究におけるパラダイムシフトを目指す。特筆すべき成果として、ヒトミトコンドリアtRNA修飾の解析で大きな進展があった。 tRNAは最も複雑に修飾されたRNA分子であり、これまでに見つかっている約150種類のRNA修飾のうち、約8割がtRNAから発見されたものである。近年、様々なヒトtRNA修飾遺伝子の変異やそれに伴う修飾率の低下が疾患の原因となることが明らかとなりつつある。tRNA修飾病の発症機構を解明するには、個々のtRNAにおいて修飾の種類と位置をマッピングする必要がある。 本年度は、ヒトにおける全22種類のミトコンドリアtRNAを単離精製し、高精度RNA質量分析法 (RNA-MS)と、次世代シーケンス技術を駆使したシュードウリジン(Ψ)検出法(tRNA-Ψ-seq)を組み合わせることにより、ヒトミトコンドリアtRNAの全修飾部位を同定することに成功した。最終的に、ヒトミトコンドリアtRNA全22種類中に、18種類のRNA修飾が137ヶ所に存在することを明らかにした(Nature Commun., 2020)。本研究は、将来的にミトコンドリア関連疾患の発症機構の究明に大きく貢献することが期待される。 mRNA前駆体のスプライシングに必須な核内低分子RNAであるU6 snRNAには、N6メチルアデノシン(m6A)修飾が一か所存在することが知られていた。私たちは、mRNAスプライシングにおけるm6A修飾の機能を明らかにした(Nature Commun., 2021)。 また、Nature Reviews Molecular Cell Biology誌にヒトtRNA修飾と疾患に関する総説を執筆し、大きな反響があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ヒトのミトコンドリアtRNA修飾の全体像を解明した成果は大きな反響があった。また、新規RNA修飾の同定とその機能解析でも順調にデータが蓄積しており、大きな成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA修飾が生育環境や細胞内メタボライトによってダイナミックに変動する現象を引き続き探求する。特にtRNAに見出されたリン酸化修飾や、嫌気環境におけるRNA修飾の変動と役割について集中した研究を行う。新規RNA修飾については、未発表のものを約20種類発見している。この中には、新規キャップ構造や欠損型塩基など、これまでに類の見ないタイプのものが含まれている。本研究では、新規RNA修飾の更なる探索を継続すると共に、規修飾の化学構造の決定、生合成機構の解明、機能解析を行う予定である。
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