2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular Analysis of Spermatogonial Stem Cell Aging
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18H05281
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 隆司 京都大学, 医学研究科, 教授 (30322770)
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Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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Keywords | 精子幹細胞 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が樹立した培養精子幹細胞(Germline Stem, GS細胞)は試験管内では精原細胞として増殖するが、生体内では精細管内で精子へと分化することができる。細胞分裂と共に染色体の末端にあるテロメアの長さは減少するために通常の細胞は一定回数の細胞分裂の後に増殖が停止するが、テロメアの長さを維持する酵素であるテロメラーゼを発現するES細胞は試験管内で無限に増殖することが可能である。ところがGS細胞はテロメラーゼを発現していないため、テロメアの長さが培養と共に減少することをこれまでに報告していた。本年度は長期培養したGS細胞の精子幹細胞活性を確認するために異なった期間培養されたGS細胞を先天不妊マウスの精巣内へ移植を行った。その結果、培養開始後30ヶ月のGS細胞は精子を作成することができることが分かった。しかしながら、それ以上の期間にわたり細胞培養を継続すると、減数分裂に移行する細胞数は減少し、精子形成能が減弱することが分かった。このように分化能力は長期培養と共に低下するが、不妊マウスの精巣に生着するという幹細胞活性については培養期間に関わらず継続して強い能力を持つことが明らかになった。さらに長期培養を行ったGS細胞は時間と共に増殖スピードが亢進していくことも明らかとなった。特に精子幹細胞の自己複製因子であるglial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF) やfibroblast growth factor 2 (FGF2)に対する反応性が高くなっており、より低濃度のGDNFやFGF2でも細胞増殖が起こるようになることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り長期培養したGS細胞の特徴を解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は培養したGS細胞の老化に関わる分子の同定を試みる。5ヶ月間培養したGS細胞と60ヶ月間培養したGS細胞を用いて、発現レベルが異なる遺伝子をマイクロアレイもしくはRNAシークエンス法により解析を行う。またこれらの細胞を用いてwhole genome bisulfite sequencingを行うと共に、H3K4もしくはH3K27に対する抗体を用いたChIIPシークエンスを行う。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] ROS amplification drives mouse spermatogonial stem cell self-renewal.2019
Author(s)
Morimoto H, Kanatsu-Shinohara M, Ogonuki N, Kamimura S, Ogura A, Yabe-Nishimura C, Mori Y, Morimoto T, Watanabe S, Otsu K, Yamamoto T, *Shinohara T.
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Journal Title
Life Sci Alliance
Volume: 2
Pages: e201900374
DOI
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