2018 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線偏光測定で明らかにする中性子星表面近傍の強磁場環境と放射過程
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18H05861
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小高 裕和 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50610820)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 中性子星 / 降着型パルサー / 強磁場 / 偏光 / X線 / 輻射輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
降着型パルサーのX線放射モデルを確立するために、理論・実験の両面で基礎的な研究を行った。 理論面では、降着型パルサーの3次元X線放射モデルを構築するための基礎検討を行った。本研究では強磁場の存在により変更された電子・光子散乱の物理プロセスをモンテカルロ放射輸送コードMONACOに導入し、強磁場を持つ中性子星表面での放射を計算することを目指している。まず実装が容易な古典的な断面積を用いて計算を行い、パルサーのX線スペクトルの観測的特徴がよく再現できることを確かめた。アプローチの妥当性が確認されたので、次のより詳細な計算に進むことができる。 観測データによる検証を実施するため予備的な解析を行った。非常に明るい降着型パルサーであるSMC X-1の「すざく」衛星によるX線観測データを用いた。この天体はエディントン限界光度を超えて輝いており、最近発見されたことで注目されている超高光度X線パルサーの謎を解く鍵になると期待できる。予備解析の途中で、高電離鉄イオンの吸収線を発見し、降着円盤の構造について新たな知見が得られたため、当初の目的と別にこれを先行してレター論文として出版した。 将来の硬X線偏光観測の実現に目指し、半導体ピクセル検出器を用いた撮像偏光システムの基礎開発を進めた。超小型衛星に搭載できるような小型の撮像系を構築するため、ピクセルサイズが10マイクロメートルより小さいCMOSセンサと微小符号化開口マスクを組み合わせた撮像系の実証実験を行った。このCMOSセンサの偏光測定能力を評価し、シミュレーションシステムを開発した。これにより、さらに実用的な撮像偏光センサへの要求を整理することができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)