2018 Fiscal Year Annual Research Report
Quantum entanglement in the early universe
Project/Area Number |
18H05862
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅野 優美 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70827427)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | 原始重力波 / 強度干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
初期の宇宙が本当に量子揺らぎから始まったのか、その際他の宇宙とエンタングルしていたのかを検証する観測量として、原始重力波に着目し、原始重力波の量子性を検出する方法として、量子情報理論で発展したハンブリー・ブラウンとトゥイスの強度干渉計を宇宙論に応用しました。この強度干渉計は、重力子の統計性と関係しており、重力子の統計性を強度干渉計で測定することが可能になっています。
インフレーション中に生成される重力子の統計性はインフレーション中の量子状態で決まります。量子光学では、古典的な光子の統計はポアッソン分布に比べて分散が必ず大きくなることが知られています。これは言いかえると、ポアッソン分布に比べて分散が小さければ、量子性が存在していることを意味します。これは重力子でも同じことが言えます。従って、この点に着目して重力子の統計性を調べました。 通常のインフレーションモデルでは量子揺らぎに対する一番自然な真空として、バンチ・デイビス真空と呼ばれる状態を初期状態として考えます。この真空は十分小さなスケールでは平坦なミンコフスキー真空と同じように振る舞うからです。これまでの解析では、バンチ・デイビス真空における重力子の統計性は、古典的な特徴を示すことが分かりました。 しかし、最近ではゲージ場がインフレーション中に古典的な外場として存在し、その状態で原始重力波が生成されるというモデルが盛んに議論されるようになっています。この状況で重力波が生成される場合には、重力子の統計性が量子性を示し得るということを発見しました。これによって、ハンブリー・ブラウンとトゥイスの強度干渉計で原始重力波の量子性を検出できる可能性があることを示しました。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)