2018 Fiscal Year Annual Research Report
Electrophysiological chemical sensor by using a electrorotation method of cells
Project/Area Number |
18H05993
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
鈴木 雅登 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (60574796)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 電気回転 / 分化誘導 / 細胞膜受容体 / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では細胞膜受容体への低分子の結合により誘発される膜電位の変化を,細胞の電気回転現象により捉え,低分子を迅速・簡便に検出する新規な電気生理分析手法の実現を目的にする.本年度は細胞の膜電位変化と電気回転現象を紐づけるために,単一細胞を捕捉させるマイクロウエル底面に4電極を有する電極デバイスを作製した マイクロウエルへ細胞を選択的に導入させるために正の誘電泳動を利用した.デバイス近傍に存在する細胞の中から特定の細胞のみをマイクロウエルへ誘導し電気回転計測を行う.4電極デバイスの30μm上方に対向電極を配置させ,上下の電極基板への交流電圧の印加によって細胞がマイクロウエルに選択的に捕捉されることが確認できた. 次に本デバイスによって分化誘導に伴う細胞の変化の検出を行った.白血病細胞株の1つであるK562細胞を酪酸ナトリウムによって赤芽球系細胞へ分化させ,分化誘導の日数に伴う回転速度の変化を計測した.分化初日のK562細胞に対して交流電圧(300 kHz, 2 Vpp)の印加により3.7 rounds/secの回転が観察された.分化誘導7日後では回転速度が5.8 rounds/secとなり有意に増加した.赤芽球への分化マーカの1つであるCD235aを免疫染色した結果,分化初日では蛍光が観察されなかったが,分化7日後のK562細胞において蛍光が観察され赤芽球系細胞への分化が確認された.以上より,本デバイスを用いて分化に伴う細胞の変化を回転速度の観察という非侵襲的な方法で検出できることが明らかになった. 最後に細胞膜受容体の1つであるβ2アドレナリン受容体を強制発現させたHEK293T細胞を用いて同様の実験を行った.その結果,遺伝子導入によって回転速度の増加が観察された.これらの回転速度の変化と細胞膜容量の関連を解明するためにパッチクランプ計測や単一細胞中の遺伝子発現解析を進めている.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(29 results)