2018 Fiscal Year Annual Research Report
カキ果実におけるプロアントシアニジン蓄積制御機構解明
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18H06008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 総一郎 京都大学, 農学研究科, 研究員 (50827566)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 園芸学 / 果実 / 二次代謝 / トランスクリプトーム / ゲノム / 倍数性 |
Outline of Annual Research Achievements |
古来栽培されてきたカキを含むカキ属植物は、果実におけるストレス防御の大部分を渋味成分であるプロアントシアニジン(PA)に依存しており、果実発達の長期間にわたって多量の高重合PAを蓄積する。一方で、カキの品種群の一つである完全甘ガキは、PA合成酵素の発現低下によりカキの特異なPA蓄積の継続性を失ったことが明らかになっている。本研究の目的は、カキ属植物にPA蓄積の継続性を賦与している制御機構について、そのメカニズムと制御遺伝子座の解析を行うことである。 まず、完全甘ガキ/非完全甘ガキの分離した分離後代の成熟果実を調査したところ、調査した集団では完全甘ガキタイプの個体において果実糖度が有意に高いことが明らかになった。分離後代の発達中の果実を用いてトランスクリプトームを取得して解析すると、完全甘ガキ性を制御するDkMYB4転写因子と解糖系に関係する酵素遺伝子との間に強い正の相関が検出された。さらに、フラボノイド蓄積を制御するMYB転写因子の発現を網羅的に調査したところ、repressorタイプのMYB転写因子の一部が非完全甘ガキで高く、PA蓄積に対するフィードバック機構の存在が示唆された。これらの解析で検出された遺伝子群は今後作用メカニズムを確認する必要がある。 また、本年度は完全甘ガキ性を制御する遺伝制御領域の解析も行った。これまで決定遺伝子座を近縁二倍体ゲノムの約900kbに絞り込んでいたが、本研究ではここに位置する六倍体カキの多型の網羅的取得を目指して、非完全甘ガキ品種‘太天’の全ゲノム解析を行った。現在解析を進めており、今後候補遺伝子の同定などを行う予定である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)