2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spatial and temporal variations in transpiration and carbon assimilation rates in Moso bamboo forests
Project/Area Number |
18H06018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久米 朋宣 九州大学, 農学研究院, 准教授 (30816393)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | モウソウチク林 / 樹液流計測 / 蒸散 / 炭素固定 |
Outline of Annual Research Achievements |
竹林拡大が森林生態系に与える影響を科学的に解明することが、水資源供給や炭素吸収機能を強化する森林管理方針のあり方を議論するうえで急務である。本研究では、竹林拡大による蒸散・炭素固定量の変化を定量的に予測するために、申請者がこれまで取り組んできた低コストで多地点への展開が可能な樹液流計測を基軸に、1)山地斜面内の竹林の蒸散および炭素固定量の変動とその要因の解明、2) 気候が異なる3地域(福岡、京都、台湾)の竹林の蒸散および炭素固定量の変動とその変動要因の解明を行うことを目的とした。 2018年度は、モウソウチク林の樹液流計測を継続し、稈の年齢と樹液流速度の関係を明らかにした。古い稈の樹液流速度は新しい稈のそれより著しく低く、管理放棄による古い稈の増加は林分蒸散量の増加にほとんど寄与しなかった。このこから、管理放棄による稈密度の増加は林分蒸散量の変化をもたらさない可能性を示した。上記の知見は、稈密度が異なる福岡、京都、台湾の竹林の林分蒸散量を統一モデル(モデルパラメーターを同一とし、各地域の気象データを入力とするモデル)により再現することができたことと符合する。このモデル出力と、炭素安定同位体比等から求まる水利用効率を掛け合わせることで、任意の地点で林分スケールの炭素吸収量を推定することが可能になる。また、2018年度には竹林の斜面上部と下部においてスキャナー法による根系成長のモニタリングを開始し、画像処理の手法の検討も行った。 本研究の最終目標は竹林拡大の影響予測モデルを構築することであったが、2019年度に基盤研究が採択されたため、二年目(2019年度)は実施しないことになった。後継のプロジェクトにおいて、炭素安定同位体比から水利用効率の算定および変動要因の特定を行うことで、引き続き目標の達成を目指す。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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