2018 Fiscal Year Annual Research Report
カニクイザルのがんモデル作出とがん免疫細胞療法への応用
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18H06126
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
富松 航佑 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (00614926)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | がんモデル動物 / 非ヒト霊長類 / カニクイザル |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの発生は多段階的であり、そのプロセスに関わる遺伝子変異は動物種によって異なる。これまでのがん研究では、主にマウス等のげっ歯類が実験動物として用いられてきたが、マウスの細胞は単一のがん遺伝子変異とがん抑制遺伝子の欠失によってがん化が誘導できるのに対して、ヒトの腫瘍形成には少なくとも4つの遺伝子変異が必要である。また、マウスのがんで効果のある薬剤がヒトでは治療効果を発揮しないなど、マウスで得られた知見がヒトには外挿できない例が多くある為、非ヒト霊長類を用いたがん研究の推進が研究面、治療面共に必要不可欠である。そこで本研究では、薬剤により誘導的に4つのがん遺伝子を発現するがんモデルサルの作製を目的として研究を行った。 ヒトの腫瘍形成に必要な4つの遺伝子(p53を阻害する顕性変異体p53CT、Rb経路による細胞老化を阻害するCDK4、活性化型KRASG12V、テロメラーゼ逆転写酵素TERT) をカニクイザルからPCRで増幅し、ドキシサイクリン (Dox) による発現誘導が可能な形で2つのレンチウイルスベクターに分割して挿入した。このベクターを用いてレンチウイルスを作製し、カニクイザル由来間葉系幹細胞に遺伝子を導入した。ウイルス感染した細胞はGFPとKusabira Orange (KO)を発現する為、これらの陽性細胞をソーティングして実験に用いた。細胞にDoxを添加することで上記した4つの遺伝子の誘導を確認し、遺伝子を誘導することで細胞の足場非依存的な増殖が可能になることを確認した。 上記したレンチウイルスをカニクイザルから取得した卵に感染させ、その後顕微授精を行うことでTg胚を作製した。顕微授精から7日後にGFPとKOの蛍光が観察された胚を仮親に移植し、妊娠個体を取得した。その後、上記した遺伝子が導入されている仔サルの取得に成功した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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