2018 Fiscal Year Annual Research Report
運動時循環反応の個人差発生メカニズムの解明と個人差を考慮した新運動処方の開発
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18H06410
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡邊 和仁 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (70733145)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 循環反応 / 個人差 / 自律神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、運動時の循環反応の個人差と自律神経活動との関係性および外部環境刺激が運動時の循環反応の個人差に及ぼす影響を明らかにすることである。多人数における実験データから個人差を検討する本研究の特性上、自律神経活動の評価には、従来用いられている微小針電極法などの侵襲的な手法よりも簡便かつ安全な手法を取り入れる必要がある。平成30年度は、ヒトにおいて非侵襲的に交感神経活動の反応性を評価した場合の、その個人差の様相を明らかにするため、安静状態で交感神経を刺激する実験手法を用いた検討を行った。 健康な若年男女30名を被験者とし、4℃の冷水に手掌を浸水する局所寒冷刺激(非運動性の交感神経刺激)を行ったときの血圧、心拍出量、末梢血管抵抗などの反応を定量することで各個人における交感神経刺激に対する反応性を調べた。局所寒冷刺激時の血圧は全被験者においてベースラインから増加した一方、心拍出量と末梢血管抵抗は増加する者と減少する者がみられた。また、心拍出量と末梢血管抵抗の変化量の被験者間変動係数は、血圧の変化量の変動係数の2倍以上の値であった。さらに、局所寒冷刺激を別な日に再度実施したところ、同一被験者では同様の反応が起こることが確認された。これらの結果は、ハンドグリップなどの小筋群運動を用いた先行研究とよく一致しており、局所寒冷刺激による交感神経刺激時にも心拍出量応答や末梢血管応答などに顕著な個人差が生じること、また、各個人の反応は高い再現性を有することが示された。このような局所寒冷刺激を用いた交感神経の反応性評価は、運動時の循環反応の個人差発生メカニズムの検討に応用可能であると考えられる。 本研究課題は、当初は2年計画であったが、令和元年度科研費(若手研究)が採択となったため、令和元年度以降は本研究課題をさらに発展させ、循環と体温の調節系間の相互関係を加味した検討を進める予定である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)