2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis and application of the function of brain structural networks in the context of information networking
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18J00004
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
福嶋 誠 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 脳構造ネットワーク / 情報ネットワーク / ネットワーク分析 / 離散事象シミュレーション / ネットワーク上のダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず,ヒューマンコネクトームプロジェクトの大規模公開データベースから脳計測データ(構造MRIデータ,安静時fMRIデータ,拡散MRIデータ)を取得し,データからヒト脳構造ネットワークを得るまでの処理スクリプトを作成した.本処理スクリプトでは,拡散MRIデータの各ボクセル内における白質線維方向分布(FOD)に対するパラメータフィッティング,およびFODを用いた白質線維束のトラッキングに,拡散MRIデータの解析ソフトウェアMRTrix3の関数を使用した.本処理スクリプトを用いて得られた脳構造ネットワークについて,1)先行研究ですでに示されている脳構造ネットワークの代表的な性質(コミュニティ構造やリッチクラブ構造など)が存在することと,2)安静時fMRIデータから推定された脳機能ネットワークとの間の類似度の強度が先行研究で示されている強度と整合することを確認した. 加えて今年度においては,ヒト脳構造ネットワークを得るため処理スクリプトの作成と並行し,脳構造ネットワーク上での通信ダイナミクスのモデル化を通して脳構造ネットワークの情報通信に関する機能を探ることを目的として,パケット通信のシンプルな離散事象シミュレーションプログラムの実装にも取り組んだ.本シミュレーションプログラムでは,パケットに分割されたメッセージがソースノードにおいて生成され,メッセージがターゲットノードへ向けてランダムウォークに基づくルーティングアルゴリズムを通して伝えられる.ターゲットノードに至るまでの中間ノードでは指数分布にしたがうサービス時間がモデリングされ,最大キュー数も仮定される.以上のモデル設定のもと,通信に関するさまざま評価指標を計算するプログラムについても今年度において作成,整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通りに脳構造ネットワーク取得のための処理スクリプトの作成を完了し,また本課題での研究で今後核になっていくと考えられる離散シミュレーションプログラムを実装することにも成功したため.加えて関連研究が原著論文として学術誌に掲載されたことも本進捗区分を選択した理由として挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,今年度までに実装した離散シミュレーションプログラムで用いた通信モデルをベースとして,脳構造ネットワーク上での情報通信のモデリングを進める.また本モデルによる通信シミュレーションを通して,情報ネットワークの文脈における脳構造ネットワークの機能を明らかにすることにも注力していく.
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Research Products
(6 results)