2018 Fiscal Year Annual Research Report
捕食ー被食関係を考慮した全球規模の多様性形成プロセスの解明
Project/Area Number |
18J00093
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中臺 亮介 琉球大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 食性幅 / カエデ / ハマキホソガ / 蝶類 / 被子植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
捕食ー被食関係が多様性形成プロセスに与える影響を解明するため、複数のシステムを対象として、研究を行っている。まずカエデ属植物とハマキホソガ属蛾類を中心としたシステムを対象として、現地のカウンターパートと共に、フィンランド・オーストリアを中心としたフィールドワークを実施し、おそらく新たにフィンランドから2種、オーストラリアから1種の採集を行った。今後もさらに海外のカウンターパートを探し、共同しながら、海外のサンプルを追加し、系統樹の作成を行う予定である。また、カエデ属植物とハマキホソガ属蛾類を中心としたシステムに関するテーマで国際学会で発表を行った。日本列島における被子植物と蝶類のシステムでは、日本で収集されてきた大量の蝶の各種の在情報のデータを用いて、蝶類の寄主特異性が北に行くほど高くなるという従来の仮説と逆になるパターンを発見した。日本における被子植物と蝶類寄主特異性の地理・環境勾配に着目した本研究の成果はすでに論文としてまとめ、近く査読付き国際誌に投稿する予定である。日本産蝶類については、現在複数の時空間スケールでの多様性パターンについて、同時進行で研究を進めており、今後は順次解析と投稿を進めて行く。 今後はさらに捕食ー被食関係が多様性形成プロセスに与える影響を、より一般的に議論をするため、複数のシステムの比較をしていくと共に、数理生態学的なアプローチを組み合わせて研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オーストリア、フィンランドのカエデ属植物を利用するハマキホソガ属蛾類を採集できた。また、日本における被子植物と蝶類の関係に着目した研究の成果は、査読付き国際誌に投稿間近である。また、カエデ属植物とハマキホソガ属蛾類を中心としたシステムに関するテーマで国際学会で発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
捕食ー被食関係が多様性形成プロセスに与える影響を解明するため、今後は対象とするシステムを増やしていくと共に、より一般的なパターンについて議論するため、複数のシステムを比較し、共通点と相違点を明確にし、研究を深める。加えて、数理生態学的なアプローチを試みる。
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Research Products
(5 results)