2019 Fiscal Year Annual Research Report
多重ゼータ値および有限多重ゼータ値の関係式族の研究
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18J00151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関 真一朗 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 多重ゼータ値 / コネクター |
Outline of Annual Research Achievements |
コネクターの研究を前年度に引き続き行なった. 具体的にはシャッフル関係式・調和関係式・双対関係式(しっぽ付き多重ゼータ値版を含む)・ホフマン双対関係式・巡回和公式・ホフマンの関係式などを体系的にコネクターの理論で理解し, 6月には九州大学で双対関係式に限ってホフマン氏, ツァオ氏の前で講演, 11月にはその全容をRIMSで講演した. 各連結和の定義においてインデックスを一部分修正することによって輸送関係式が極めて簡明に記述できることに気づいたのが今年度の発見であり, この理論の更なる発展が期待できる. これらの成果は``Connectors''というタイトルのサーベイ論文としてまとめた. 更に, 九州大学の広瀬稔氏, 佐藤信夫氏とともに二重大野関係式の新証明を与えるのみならず拡張二重大野関係式という新公式を導く新しい二変数のコネクターを発見した. 他にはボウマン・ブラッドレイの関係式のA_2類似を証明した中村学園大学の村原英樹氏と九州大学の小野塚友一氏との共著論文が``Osaka J. Math.''に掲載許可(掲載は2020年度)された他, 執筆の遅れている九州大学の小野雅隆氏と慶応大の山本氏のt進対称多重ゼータ値に関する共著論文の原稿も完成に近づけた(2020年度に完成し掲載された). また, 東北大学の宗政昭弘氏, 見村万佐人氏, 甲斐亘氏, 吉野聖人氏とグリーン・タオの定理の数体への拡張の共同研究を実行した. 関連して, 齋藤耕太氏および徳重典英氏を招聘しての勉強会も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年に申請者と山本修司氏が発案したコネクターの概念が新しく研究すべきことが目の前に大量に現れた一方で, まだ新規参入者が少ないため, 自身で研究に取り組んだ結果順当に成果が得られたので順調に進展したと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
コネクターの理論でまだ解釈されていない多重ゼータ値の関係式族の理解を進めたり、新しいコネクターをデザインして新しい関係式族を見つける研究を行っていく。
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Research Products
(6 results)