2018 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル半金属と格子変形や磁気テクスチャとの協奏で生じる量子現象と制御性
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18J00189
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高嶋 梨菜 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2019-03-31
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Keywords | マグノン / 非相反輸送 / スピンゼーベック効果 / キタエフスピン模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,マグノンの輸送現象の提案を行い,その研究結果を学会誌と国際会議において発表した。さらに,量子スピン液体についての研究も行った。 まず,マグノン輸送現象の研究について述べる。マグノンは磁性体中の集団励起の一種で,その流れはスピン流となる。マグノンスピン流はスピントロニクス分野で注目されており,デバイス応用に向けて,マグノン輸送現象の微視的な理解や輸送現象の提案は重要である。 本研究では,空間反転対称性の破れた反強磁性体に着目し,マグノンスピン流の非相反的な輸送現象を提案した。より具体的には,与える温度勾配の向きによって,生じるマグノンスピン流の大きさが異なる,ダイオードのような輸送現象を明らかにした。特に鏡映対称性のない反強磁性絶縁体α-Cu2V2O7やハニカム格子をもつ反強磁性絶縁体MnPS3については,中性子散乱などで得られている物質定数を用い,温度・磁場依存性などの定量的な解析を行った。これらの物質に即した解析は,現象の実験的実現に向けた重要な足がかりになると考えられる。 次に,量子スピン液体の研究について述べる。キタエフスピン模型は,量子スピン液体状態を示し,トポロジカル量子計算への応用などに向け,精力的に研究が行われている。キタエフスピン模型に磁場の作用を加えることによって,量子化された熱ホール効果を示すトポロジカル秩序相を示すことが知られている。候補物質に対する磁場印加実験だけでなく,理論的にも新規なトポロジカル相が提案されていることから,磁場下のキタエフスピン模型の性質を理解することは急務である。そこで本研究では,マヨラナフェルミオン表示を用いた平均場近似を用いて,高磁場下のキタエフスピン模型の相を調べた。具体的には,異なる角度の磁場を印加した際のトポロジカル状態としての特徴や励起構造などを明らかにした。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)