2019 Fiscal Year Annual Research Report
希薄気体中における粘性摩擦の解析学および確率論を用いた研究
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18J00285
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 祥太 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 運動論方程式 / 解の存在と一意性 / 正則性の伝播 / ウィーナー空間 / 初期値問題 / 初期値境界値問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は香港中文大学のRenjun Duan氏を訪問して、華中師範大学のShuangqian Liu氏、ペンシルバニア大学のRobert M. Strain氏らとともに、昨年度の研究の発展として非切断ボルツマン方程式およびランダウ方程式の摂動問題の解の正則性獲得に関する研究を行った。摂動問題の解に対する平滑化作用に関してこれまで知られている結果では、Chen-Hu-Li-Zhan (preprint)のボルツマン方程式に対するGevrey平滑化に関する結果と、Morimoto-Xu (preprint)のランダウ方程式に対する解析的正則化がある。それぞれ課題があり、前者は線形化方程式から期待される正則性より弱いものしか示せず、後者はマクスウェル型の場合のみに示している。従ってそれぞれに未解決部分があるため、我々はこれを解消し、できるだけ広範な場合に線形化方程式の解の正則性と同じだけの最良な正則性を摂動問題の解に対しても示すことを目標とした。もっとも一般的に用いられる線形項と非線形項の分解方法では、線形部の特にどの部分が主要部として働くのか不明瞭であるため、Silvestre(2017)で用いられた別の分解法を用いて現在必要なアプリオリ評価の構成を行っている。 さらに、この方法は初期値問題だけではなく、初期値境界値問題に対しても適用可能である。前者に関する解の存在や一意性の結果はAlexandre-Morimoto-Ukai-Xu-Yang(2012)やGressman-Strain(2011)で得られているられている結果を追うものだが、後者に関する結果は特に非切断仮定の下では前例がないものであった。 この結果はComm. Pure Appl. Math に受理され近日中に出版される予定である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(7 results)