2020 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測データと数値モデルを用いた全球陸域土砂動態の解明
Project/Area Number |
18J00585
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鳩野 美佐子 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 全球土砂動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は全球土砂動態モデルの精度検証およびダム操作の導入に向けたプログラム修正を行った。 これまで開発を進めてきた全球土砂動態モデルは特定の河川における浮遊砂輸送量の季節変動等はよく再現できていたが、世界中の河川から海洋へと流出する浮遊砂輸送量の合計値を過去推計値と比較すると大きく過小評価されていた。そこで、モデル自体の改良すべき要素も複数存在するが、過去推計値を精査したところ過去推計値の欠点も2つ発見した。一つは浮遊砂輸送量は様々な要因により大きく変化しうるため、時系列変動をもたない過去推計値はシミュレーション結果と直接比較することが妥当ではない点である。もう一つは限られた観測値を基に観測網の乏しい流域に外挿しているため、観測値に偏りがある場合はそれがそのまま合計値に反映されてしまう点である。これらの結果はProgress in Earth and Planetary Scienceに論文として発表している。 ダム操作の導入に関してはE3SMに含まれている土砂モデルを参考にVoisin et al. (2013)のスキームを採用し、ダムの位置情報などの境界条件も同じものを使用して全球土砂動態モデルへ導入した。土砂に関してはダム内の土砂捕捉率をBrune (1953)を参考に推定した。アメリカ合衆国を対象にシミュレーションを行ったところ、特にミシシッピ川流域の本川では流量が減少しており、浮遊砂輸送量は流量より広範囲で減少する傾向にあった。これは主に浮遊砂輸送量が増える洪水期にダム操作により出水が緩和され、流量が減ることにより年平均浮遊砂輸送量の減少につながったと考えられる。現段階ではアメリカのみを対象としたシミュレーションを行ったが、全球スケールに拡張し地理的要因等によるダム導入の影響評価を今後の課題とする。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)