2018 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜における宿主細菌相互作用の解明と歯科疾患及び全身疾患治療への応用
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18J00744
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塚崎 雅之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨免疫学 / 破骨細胞 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔細菌―免疫系―骨代謝系の相互作用に関与する因子を探索する過程で、口腔粘膜に存在する免疫細胞で高発現しており、破骨細胞や骨芽細胞といった骨構成細胞でも発現が認められる遺伝子Xに着目した。当該遺伝子の欠損マウスを作成したところ、野生型マウスと比較して身体サイズが小さく、成長に伴い体長および体重の差が顕著になることが明らかになった。骨格系の異常を疑い、全身のレントゲン写真、マイクロCTによる頭蓋骨、椎骨、大腿骨の撮影、脛骨の組織切片作成及び骨形態計測を行った。その結果、大腿骨、椎骨、脛骨の長軸および短軸の短縮、海綿骨量の減少、頭蓋骨の石灰化不全など、生理的条件下で骨組織に著名な表現系が認められた。破骨細胞の数や骨吸収面には変化を認めなかった。また、in vitroでの破骨細胞分化や骨吸収機能も正常であった。さらに、骨髄移植の実験から、血球系の破骨細胞ではなく、間葉系の細胞で遺伝子Xが欠損することが、骨表現系の原因であることを明らかにした。現在floxマウスの作成に着手しており、骨構成細胞や各種免疫細胞で特異的に遺伝子Xを欠損するマウスを樹立し、解析する予定である。具体的には、osterix-Cre(骨芽細胞)、Dmp1-Cre(骨細胞)、Col2-Cre(軟骨細胞)、CD4-Cre(T細胞)、Mb1-Cre(B細胞)といった系統を既に導入しており、順次floxマウスとの交配を勧め、生理的および病的条件下での遺伝子Xの機能を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規の遺伝子欠損マウスを作成したところ、骨にユニークな表現系が認められた。当該遺伝子のfloxマウス作成にも着手しており、今後、様々な細胞特異的に当該遺伝子を欠損したマウスを樹立し解析することで、骨代謝のみならず免疫系や宿主菌叢相互作用に関して新たな知見が得れると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子Xのfloxマウスを樹立し、細胞種特異的に遺伝子Xを欠損するシステムを構築する。骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、破骨細胞、各種免疫細胞特異的なCre lineと交配し、表現系を解析する。
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Research Products
(15 results)