2020 Fiscal Year Annual Research Report
JAG1-Notchシグナル活性化による早期細胞老化と微小環境機構の解明
Project/Area Number |
18J00861
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
眞野 恭伸 千葉大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | 癌 / 早期細胞老化 / Notchシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、(1)共培養におけるJAG1-Notchシグナル活性化を介した老化誘導機構の解明.(2)公共データベースでのJAG1-Notchシグナル活性化と癌臨床検体との関連性の検証.について解析を行った。 (1)では、まずMIA PaCa-2細胞においてJAG1 KD 細胞とJAG1強制発現細胞のRNA-Seqデータの解析を行った。興味深い事に、MIA PaCa-2細胞では、JAG1をKDや強制発現したにも関わらず、Notchシグナルの下流標的遺伝子群にほとんど遺伝子変動が認められなかった。またMIA PaCa-2細胞と正常線維芽細胞のRNA-SeqデータをGene Set Enrichment Analysis(GSEA)によって比較解析した。MIA PaCa-2細胞では、正常細胞と比べMYCの標的である遺伝子群や、KRASの活性化によって発現低下する遺伝子群が濃縮していた。この結果は即ちMIA PaCa-2細胞では、Notchシグナルの正常な遺伝子発現制御ができなくなっている可能性が示唆された。 (2)では、The Cancer Genome Atlasの膵臓癌のデータを用いて統合解析を行った。126検体のKRAS(+)膵臓癌と24検体のKRAS(-)膵臓癌、及び13検体の正常組織のRNA-Seqのデータを解析した結果、KRAS(+)膵臓癌では、KRAS(-)膵臓癌、正常組織に比べてJAG1の発現上昇を有意に認めた。 以上の結果から、JAG1-Notchシグナルの活性化は老化誘導に寄与しており、癌細胞の様な自身の細胞老化機構が破綻している場合にはJAG1-Notchシグナルの活性化を介して周囲の正常細胞へ老化誘導しながら増殖していく事が明らかとなった。癌細胞はこの機構を巧みに利用して浸潤・転移を加速させている可能性があり、非常に興味深い結果だと考えている。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|