2019 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外の物体を操作することによる形態形成の分子メカニズム解明
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18J00886
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 真未 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 有殻アメーバ / 被殻構築 / 単細胞RNAseq |
Outline of Annual Research Achievements |
ユーグリファ目に属する有殻アメーバは細胞内で形成した珪酸質の鱗片を細胞外に分泌し、仮足を用いてそれらを操作し、細胞外に卵型の被殻を構築することが知られている。この被殻構築過程はタイムラプスビデオや電子顕微鏡観察により、形態学的にはある程度明らかになっている。しかし、その分子メカニズムは全くわかっていない。Paulinella micropora(以下ポーリネラ)はユーグリファ目有殻アメーバの中でも形態学的情報だけでなく分子情報が豊富に存在していることから、有殻アメーバのモデル生物とも言え、分子メカニズム解明へ向けた材料として適している。今年度はスペインのInstitut de Biologia EvolutivaのInaki Ruiz-Trillo博士の研究室に10ヶ月間所属し、網羅的遺伝子解析のため細胞周期同調培養系の作成と単細胞RNAseqの専門家たちと共同で研究を進めた。分子データの乏しい原生生物において、定量性のある単細胞RNAseq解析はほとんど行われていない。そこで、単離したポーリネラ1細胞を用いてSmart-seq2法(Picelli et al. 2014) に基づきcDNAを合成、qPCRにより十分なシグナルが得られるサイクル数を検討した。その結果、27~28サイクル増幅を行えば、シーケンス解析に耐えうる量のcDNA量に達することがわかった。そこで、様々な細胞周期ステージの細胞の光学顕微鏡写真を撮影し、それぞれPCRチューブに単離し、細胞周期ステージが進行する前に液体窒素を用いて瞬間凍結させた。凍結融解を3回行い、細胞を破壊してRNAが効率よく反応液中に拡散するようにした。その後、コロナウイルス感染拡大の影響で研究室が閉鎖になってしまったが、凍結した細胞があるので、すぐにでもシーケンス解析が行える状態にある。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)