2018 Fiscal Year Annual Research Report
高分子量蛋白質NMR構造決定の完全自動化と人工花成ホルモン受容体複合体への応用
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18J01012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新家 粧子 大阪大学, 蛋白質研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 溶液NMR / 立体構造 / フロリゲン / 蛋白質複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、完全自動NMR構造決定にむけたフロリゲン受容体蛋白質の試料調製とNMRスペクトルの測定、および、フッ素含有化合物スクリーニングライブラリの整備に取り組んだ。 ユビキチン蛋白質のメチル基選択的標識体を作成し、4次元NMRスペクトルの測定を行った。常法による均一標識体を用いた測定と比較し、多くの距離制限情報が得られることを明確にした。つづいて、フロリゲン受容体の均一標識体を作成し、常法に従った主鎖連鎖帰属と、15N-アミノ酸選択的標識体を用いた帰属を組み合わせることによって、約8割の主鎖シグナル帰属を達成した。さらに、高い標識率で安定同位体標識蛋白質を得ることが可能な、無細胞蛋白質合成系を用いてIle, Leu, Val, Thr残基のメチル基選択的軽水素標識体をそれぞれ作成し、NMRスペクトルの測定を行った結果、Ile標識体において最も高品質なスペクトルが得られた。現在、これらのスペクトルについて解析を進めている。 創薬分野のスクリーニング技術の1つとして最近注目をあびているフッ素含有化合物ライブラリを用いた19F NMRスクリーニングに着目し、受入研究者所属機関独自の19Fスクリーニングライブラリを整備し、フロリゲンおよびフロリゲン受容体の19F化合物スクリーニングを実施した。その結果、複数のヒット化合物が得られ、現在これらの化合物と蛋白質の相互作用解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに研究を推進する。具体的には、フロリゲン受容体の完全自動NMR構造決定、および、人工フロリゲン創出に向けた薬剤複合体の解析に取り組む。フロリゲン受容体の完全自動NMR構造決定では、自動構造解析システムによる解析を適用し、帰属が不十分な場合は、アミノ酸選択標識フロリゲン受容体を作成し、帰属情報を増やす。人工フロリゲン創出に向けた薬剤複合体の解析では、すでにスクリーニング実験によって得ているヒット化合物群について、NMR滴定実験等により相互作用部位を明らかにする。
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