2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J01554
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植田 佳明 東京大学, 生物生産工学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / イネ / 窒素 / 転写因子 / 転写制御 / 機械学習 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネの窒素欠乏応答に関わるネットワークの中心部に位置するハブ転写因子に関する解析を進めた。昨年度の遺伝子共発現解析に加え、新たに機械学習による制御経路の推定を行い、それぞれのハブ転写因子の標的遺伝子を推定した。イネのプロトプラストを用いた一過的発現アッセイにより、推定された制御経路を検証したところ、複数のハブ転写因子が互いの発現に影響を及ぼすとともに自己の発現を抑制するという、極めて複雑な制御パターンが示唆された。ハブ転写因子の中から、RLI1、bZIP11とbZIP41を詳細な解析の標的とし、ゲノム編集を用いてこれらの遺伝子のノックアウト体を作製した。rli1変異体、bzip11/41二重変異体の両方において、窒素欠乏条件に応じた遺伝子発現パターンの変化が野生型に比べて弱まっており、これらの転写因子が植物体レベルでの正常な窒素欠乏応答に重要であることが明らかとなった。 栄養応答の時系列パターンのの数理モデルに向けたデータの取得も実施した。硝酸輸送体をコードするNRT2.1遺伝子の抑制因子であるNIGT1転写因子の欠損、およびNRT2.1遺伝子のプロモーター上におけるNIGT1転写因子の結合配列の変異により、そのプロモーターの活性の時系列変化パターンが変化することを確認し、既に明らかにされた制御経路に基づく数理モデルから予測される結果と概ね一致した。その一方で、NIGT1転写因子のmRNAおよびタンパク質の不安定化によりNRT2.1遺伝子のプロモーター活性の時系列パターンに変化が生じるという知見が得られていたが、不安定化配列の付加による安定性の十分な変化は見いだされず、植物体を用いた検証実験が困難であると判断した。その一方で、NIGT1転写因子間の相互作用が、標的DNA配列の認識と適切な栄養応答の調節に重要であるという、当初予期しなかった結果が知見が得られた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)