2020 Fiscal Year Annual Research Report
新規大腸癌幹細胞特異的表面マーカーを標的とした抗体治療の開発
Project/Area Number |
18J01600
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
後藤 規弘 滋賀医科大学, 薬理学講座, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | IL17RB / 癌幹細胞 / 大腸癌 / マウス / DCLK1 / CRISPR / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
DCLK1はマウス腸腫瘍幹細胞に特異的に発現するマーカーであるが、ヒト大腸癌における役割は十分に解明されていなかった。申請者はマウス、ヒトの双方でDCLK1陽性細胞に特異的に発現する細胞表面マーカーとしてIL17RBを同定した。ヒト大腸癌オルガノイドに対して、CRISPR-Cas9でIL17RBの終止コドン直前に2A-CreERT2をノックインしてlineage tracingを行うと、IL17RB陽性細胞は子孫細胞供給能と自己複製能を持つことがわかり、IL17RBはヒト大腸癌においても癌幹細胞をマークすることが示された。さらに、CMV-loxp-DsRed-loxp-iCaspase9-2A-EGFPベクターを作成し、レンチウイルスを用いて前述のIL17RB-2A-CreERT2をノックインした大腸癌オルガノイドに導入した。このコンストラクトを用いることで、タモキシフェンとDimerizerを投与してIL17RB陽性細胞を特異的にアブレーションすることが可能になった。この遺伝子改変後のオルガノイドを免疫不全マウスの皮下に移植し、腫瘍が形成されたのちにIL17RB陽性細胞のアブレーションを行った。すると、長期的なアブレーションにより強力な腫瘍増殖抑制効果が認められた。次に、マウス腸腫瘍オルガノイド、ヒト大腸癌オルガノイドでIL17RBをノックアウト、ノックダウンしたが、細胞増殖やアポトーシスに変化は認められなかった。IL17RBは癌幹細胞をマークしているが、機能的には細胞増殖や維持に関与しないことがわかった。この結果から、IL17RB陽性癌幹細胞を標的とする大腸癌治療法としては、IL17RBの中和抗体や阻害薬を用いるストラテジーではなく、IL17RB陽性細胞のアブレーションを可能とするような、殺細胞薬をFc領域に結合させたキラー抗体の作成が必要である可能性が示唆された。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
[Journal Article] Visualization of stem cell activity in pancreatic cancer expansion by direct lineage tracing with live imaging2021
Author(s)
Maruno T, Fukuda A, Goto N, Tsuda M, Ikuta K, Hiramatsu Y, Ogawa S, Nakanishi Y, Yamaga Y, Yoshioka T, Takaori K, Uemoto S, Saur D, Chiba T, Seno H
-
Journal Title
Elife
Volume: 10
Pages: e55117
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] SETDB1 Inhibits p53-Mediated Apoptosis and Is Required for Formation of Pancreatic Ductal Adenocarcinomas in Mice2020
Author(s)
Ogawa S, Fukuda A, Matsumoto Y, Hanyu Y, Sono M, Fukunaga Y, Masuda T, Araki O, Nagao M, Yoshikawa T, Goto N, Hiramatsu Y, Tsuda M, Maruno T, Nakanishi Y, Hussein MS, Tsuruyama T, Takaori K, Uemoto S, Seno H
-
Journal Title
Gastroenterology
Volume: 159(2)
Pages: 682-696
DOI
Peer Reviewed