2019 Fiscal Year Annual Research Report
データ駆動型アプローチによる海洋下部地殻および上部マントル変質速度の探索
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18J01649
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大柳 良介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 反応速度 / 蛇紋岩 / 蛇紋岩化作用 / 水熱実験 / データ駆動型手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,前年度に設計したフォワードモデルと機械学習的アプローチを練成させ,水熱実験の解析を試みた.設計したフォワードモデルには,鉱物の反応表面積に関する項において不確実性が存在した.そのため,データ駆動型アプローチを用いてその不確実性をデータから推定することを試みた.本手法は,考えられるあらゆるフォワードモデルの候補で水熱実験の結果を解析するものである.その中で,クロスバリデーションという情報科学的アプローチを用いて一番実験結果をよく再現するフォワードモデルを推定した.結果,実験結果からフォワードモデルを推定できただけでなく,フォワードモデルを用いて水熱実験を再現することができた.拡散係数や反応速度定数といった未知パラメータを分布として推定し,不確かさを定量的に評価することができた.また,クロスバリデーションで選択されたフォワードモデルは,変質反応の律速過程を客観的にデータから判定した.この判定された律速過程は,既往の研究で報告されている変質反応の律速過程や,鉱物組織から推定する律速過程と調和的であった.このように,これまで主観的に行われてきた反応の律速過程の同定を,データ駆動型アプローチにより客観的に推定できることを示した.これらの成果をEGU general assembly 2019で発表した.他にも,変成岩などシンポジウムや国際研究集会「Water-dynamics」で発表予定だったが,コロナウイルスの影響で発表機会が失われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,機械学習的アプローチの導入により,これまで知られていなかった変質反応の速度が解明しつつある.変質反応だけでなく,拡散係数など関係するパラメータも同時に得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで上部マントルにおける変質反応速度を推定した.今後は下部地殻の変質反応速度の解明に向けて,変質実験や数値計算,データ駆動型手法による解析を進める.
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Hydrothermal Alteration of the Crust-Mantle Transition and Upper Mantle in the Samail Ophiolite: Insights from the Oman Drilling Project2019
Author(s)
Gretchen L. Fruh-Green, Marta Grabowska, Ryosuke Oyanagi, Kosuke Kimura, Atsushi Okamoto, Tomoaki Morishita, Akihiro Tamura, Frieder Klein, Damon A. H. Teagle, Eiichi Takazawa, Judith A. Coggon, Juerg M. Matter, Peter B. Kelemen, and OmanDP Phase 2 Science Party
Organizer
European Geosciences Union General Assembly 2019
Int'l Joint Research
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