2018 Fiscal Year Annual Research Report
効果的なMedial Tibial Stress Syndrome予防手段の開発
Project/Area Number |
18J01881
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐伯 純弥 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ベアフットランニング / せん断波エラストグラフィ / ランニング障害 / ランニングシューズ / 筋硬度 / 後脛骨筋 / 腓骨筋 / 外側広筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベアフットランニングはランニング中の下肢のダイナミクスを変化させ、習慣的なベアフットランニングトレーニングを行うことでランニングパフォーマンスが向上することが報告されている。しかしながら、ベアフットランナーではノーマルシューズ着用ランナーと比較して下腿および足部の障害が多いと報告されており、ベアフットランナーに対する障害予防が必要である。また、ベアフットランナーにおけるランニング障害の中にはMedial Tibial Stress Syndromeをはじめとする下肢の筋損傷や腱炎が多く含まれており、的確な障害予防方法の立案のためには、ランニングによってどの筋がストレスを受けるかを明らかにすることが必要である。そこで、shear wave elastographyを用いてシューズ着用の有無がランニングによる下肢筋群へのストレスに与える影響を検討した。 健常成人男性を対象とした。対象はシューズ着用もしくは非着用の条件でトレッドミルランニングを45分間、最大下の運動強度で行い、ランニング前後に下肢筋のせん断波伝播速度(SWV)を測定した。測定対象筋は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、外側腓腹筋、内側腓腹筋、ヒラメ筋、腓骨筋浅層、腓骨筋深層、長母趾屈筋、長趾屈筋および後脛骨筋とした。 二元配置分散分析の結果、後脛骨筋のSWVは両群ともにランニング後に有意に高値を示した。外側広筋のSWVはシューズ着用群においてランニング後に有意に高値を示した。腓骨筋群のSWVはシューズ非着用群においてランニング後に有意に高値を示した。 本結果より、シューズ着用の有無にかかわらず、ランニングによって後脛骨筋がストレスを受け、シューズ着用によって外側広筋、非着用によって腓骨筋群がストレスを受けることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画から変更があったが、1編の論文が学術誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
Medial Tibial Stress Syndrome既往者は長趾屈筋および後脛骨筋が硬いことが報告されており、効果的なMedial Tibial Stress Syndrome予防手段の開発のためにはランニング中の後脛骨筋および長趾屈筋への負荷を減らす方法を明らかにすることが必要である。今後の研究では、ランニング課題における後脛骨筋および長趾屈筋の共同筋を明らかにし、後脛骨筋および長趾屈筋への負荷を減らす方法を検討する。
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