2018 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドMOSFETの少数キャリア輸送特性改善と積算線量計への応用
Project/Area Number |
18J01909
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
嶋岡 毅紘 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点ワイドバンドギャップ材料グループ, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 放射線検出器 / ドーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はダイヤモンドFETを放射線の積算線量計として応用することを目指すものである。1年目はFETの母体となるダイヤモンド薄膜の気相成長条件探索を行った。気相成長条件としてホウ素の取り込みのオフ角依存性を評価した。1試料内で基板オフ角の異なる5つの領域を持つ単結晶ダイヤモンド基板上にホウ素ドープダイヤモンドを気相成長した。基板の方位は{111}、オフ角は0°近傍から5°であった。不純物の取り込みは基板オフ角が小さく、テラス幅が大きくなるほど向上した。{100}ダイヤモンドによる不純物取り込みは、基板オフ角が大きく、テラス幅が小さいほど取り込み効率が高くなる傾向にあり、今回の{111}基板上の成長で得られた結果と対照的な傾向を示すことが報告されている。結晶基板の方位によって、不純物の取り込み機構が異なる傾向が得られたことから、基板の面方位により、ダイヤモンド成長に必要な前駆体と、不純物を含む前駆体の表面拡散長の比が異なることが示唆された。 本件について、2019年度に2件の学会発表を行った。また、{111}ダイヤモンドでの不純物取り込みについて1件の誌上発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2018年度中に得られたダイヤモンド薄膜のキャリア輸送特性評価を行う予定であったが、8月以降、研究代表者が病気となったため、実験のペースが大幅に遅れた。このため、2019年度に一部研究費を繰り越した。2019年4月には治療が終了し実験が再開できるようになったため、成長条件探索で得られた知見を基に、ダイヤモンド薄膜を形成し、少数キャリアの拡散長評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度はダイヤモンドFETを試作し、静特性の評価を行う予定である。
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Research Products
(4 results)