2018 Fiscal Year Annual Research Report
平面化ジボランのホウ素空軌道配列制御による新機能の創出
Project/Area Number |
18J02019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 直樹 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ホウ素 / 液晶 / 光物性 / 電荷輸送特性 / 配向制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ホウ素の空軌道の配列制御という観点から,ホウ素を含むディスク状液晶分子を標的とし,その集積能力とルイス酸性を生かした機能発現に向け研究を行なった.具体的には,例えば,ホウ素の3配位および4配位の構造変換に伴う集合と解離の制御といった新しい機能性ホウ素分子の開発である。本研究の基本骨格としてはじめに,理論化学計算を用いて,2つの酸素原子により架橋したトリフェニルボランが高い平面性を有していることを明らかにした.また,ハロゲン置換基を有する酸素架橋平面固定トリフェニルボランの合成に成功し,本化合物が様々なカップリング反応に許容であることを見出した.このことは,本骨格を構成単位に用いた拡張π電子系を合成する上で重要な知見となる.また本化合物を用いて、新規平面固定トリフェニルボランの合成に成功し,この化合物が,室温でヘキサゴナルカラムナー液晶を示すことを明らかにした。このホウ素液晶分子は、キヌクリジンなどのルイス塩基と十分にルイス酸塩基コンプレックスを形成することから、十分なルイス酸性を有している.興味深いことに,このルイス酸塩基コンプレックスは、光照射によりルイス塩基の解離が可能であり,外部刺激によるルイス塩基の脱離を達成した.さらに、加熱によるルイス塩基の解離も明らかにするとともに、ずり操作により液晶分子が基板に対し、水平配向することが明らかになった.本成果は,ホウ素を含む液晶ならではの性質であり,半導体液晶の新しいデバイス作製のための工学的手法とも捉えられる.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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