2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J02084
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高木 純一 奈良女子大学, 文学部, 特別研究員(SPD)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | 惣村 / 室町期荘園制 / 中近世移行期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、実証的な分析というよりは、主に理論的な枠組みの検証に取り組んだ。 採用者は、自治的村落が顕著に発達した畿内地域と、いわゆる「戦国大名」が多く出現した関東地域という二つの地域を典型とし、対比させることで、通説よりも実態に近い日本列島全体の中世・近世移行の過程を把握することができるのではないかと考えている。この問題提起については、今年度すでに投稿中であり、来年度中には刊行されるものと思われる。 加えて、より広域的な視座として、東アジアにおける比較史という観点から、日本の中世・近世移行=「近世化」を捉えるという作業を試みた。この取り組みが本年度の大きな成果である。 この点については、大阪大学歴史教育研究会2019年5月例会・関西比較中世都市研究会2020年1月例会にて研究報告を行い、日本史に限らず東洋史・西洋史の研究者からの意見を仰いだ。そのうえで、秋田茂・桃木至朗編『グローバルヒストリーから考える新しい大学歴史教育―日本史と世界史のあいだで』(大阪大学出版会、2020年3月)に、高木純一「東アジア「近世化」論と日本の「近世化」」として刊行された。 一方、当初予定していた東寺領山城国下久世荘や山科家領山科東荘の実証的な分析については着手することができなかった。ただし、このことは研究時間の不足に起因だけではなく、上記したような理論的、あるいはより広域的な比較の試みがより問題解決に有効なのではないかという見通しに基づくものである。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)