2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J02091
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
白鳥 峻志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 真核生物 / 原生生物 / 微細構造 / 分子系統解析 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に確立した従属栄養性鞭毛虫の培養株SRT804株について、トランスクリプトーム解析と電子顕微鏡観察を行った。75のタンパク質コード遺伝子のアミノ酸配列を用いて分子系統解析を行ったところ、SRT804株はアルベオラータに属し、シンディニアーレス科に属することが示唆された。また、SRT804株について走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、細胞の形や鞭毛の配置がシンディニアーレス科に類似していることが確認された。シンディニアーレス科はこれまでに寄生性の生物しか報告されていないため、SRT804株は初めての自由生活性のシンディニアーレス科であり、シンディニアーレス科の生活様式の進化を推測するのに重要な生物であることが示唆された。 新奇バクテリア’Candidatus Uab amorphum’を報告した(Shiratori et al. 2019)。このバクテリアはファゴサイトーシスのように他の真正細菌や微小な真正細菌を包み込んで捕食したり、アメーバのように柔軟に変形しながら移動するなど真核生物の特徴を多く有しており、真核生物の初期進化を理解する上で重要な生物であると考えられた。 'Ca. Uab amorphum' がもつ真核生物に似た特徴の起源と進化を明らかにするために、近縁な培養株3株についてゲノム解析を行った。得られたゲノムを比較したところ、プリン、ピリミジンや多くのアミノ酸の新規合成能を欠くこと、真核生物由来の遺伝子が殆ど見られないことなど、Ca. Uab amorphumと共通する特徴が確認された。また、'Ca. Uab amorphum'で報告され、真核生物に似た運動や捕食に関わっているとされたアクチンに近縁な遺伝子は一部の培養株では見られなかった。このことから、アクチンに近縁な遺伝子はCa. Uab amorphumの運動や捕食に関わっていないことが示唆された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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