2020 Fiscal Year Annual Research Report
Simons Array実験の広視野超高感度CMB偏光観測によるBモード探索
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18J02133
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高倉 理 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 宇宙マイクロ波背景放射 / インフレーション / Simons Array実験 / POLARBEAR実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はSimons Array実験で広視野かつ高感度の宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏光観測を行い、ニュートリノ質量和やインフレーションのテンソル・スカラー比を測定することである。 Simons Array実験の1台目の望遠鏡(PB-2a)は昨年度末に一時運転を休止した。私はそれまでに取得した観測データの解析を行い、検出器の性能評価を行った。超伝導転移端センサーの動作点を段階的に変えて較正観測を行うことにより、検出器の応答性を正確に見積もる手法を開発した。検出器回路に寄生抵抗があると、応答性を過大評価してしまうことを指摘した。この手法を用いてPB-2aの光学能率の評価を行い、日本物理学会で発表した。 その後、共同研究者らが検出器読み出し回路の補修を行い、2021年1月から観測を再開した。私はリモートで望遠鏡の運転を行い、較正装置の測定、惑星・偏光天体の観測、科学観測に向けた試験観測等を実施した。特に今回Simons Array実験の特徴である連続回転半波長板を初めて搭載した。私は半波長板の角度読み出しや、信号復調プログラムの動作確認を行った。 一方、POLARBEAR実験の再解析を行った。大角度観測の解析では取得したデータの約70%以上が質の悪いデータとして除外されていた。データ選別は解析の様々な段階で複数の条件を課すことで行う。各条件の影響を調査した結果、全検出器平均データの条件で24%失っていることが発覚した。その原因は約0.1°の連続回転半波長板の角度エラーであった。解析方法を改善した結果、私は角度エラーを完全に補正することに成功した。全ての解析パイプラインを実行した結果、利用できるデータ量は以前と比べて80%増加した。 これはテンソル・スカラー比rの測定結果の誤差が約40%改善することを意味する。この結果は近く学術論文として発表予定である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)