2018 Fiscal Year Annual Research Report
Assembly control and development of functions of external stimuli responsive coordination polymers using anisotropic hydrogen bonds by nucleobases
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18J02137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲谷 学 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | サレン型錯体 / 核酸塩基 / DNA / ホスト-ゲスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、DNA二重鎖内に錯体包接部位としての無塩基サイト(abasic site)を1~3つ導入し、サレン型単核金属錯体を標的分子とし、DNA二重鎖のabasic siteへの包接を行なった。abasic siteを導入することで、DNAに沿った金属錯体の配列制御や、abasic siteの大きさに応じた錯体分子数の制御が行える。 実際に、サレン型錯体の添加に伴ったDNA二重鎖の安定化や錯体由来のCDピークの観測、およびESI-MSスペクトルによる錯体を包接したDNA二重鎖の分子量の直接的な確認により錯体の導入を裏付けた。Abasic siteの数を増やしたところ、それに伴うサレン型錯体の分子量の増加も観測できたことから、abasic siteの増加により包接分子数を制御できたと考える。 また、金属にPt(II)イオンを用いたところ、abasic siteを有する場合のみ強い発光挙動が見られた。これは、abasic siteを持たないDNA二重鎖では、仮にDNA二重鎖表面上に錯体が付加しても酸素によって発光がクエンチされるためと考えられる。すなわち、abasic siteへの導入を示唆する結果となった。今後は、分子数や配列制御に伴う発光特性の精密制御を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、すでにある程度配向性が揃っている配位高分子を用いる予定であったが、無塩基部位を利用することで単核金属錯体であっても、分子数・配向性を容易に制御できると考え研究に着手した。無塩基部位の有無による金属錯体の発光特性の変化を観測できたことから、分子の設計等は妥当であり、研究自体も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
DNA内での金属錯体の集積における定量的な議論を深めていく。また、金属錯体の種類やターゲットとする物性も変え、汎用性を高めていく。また、DNA-金属錯体複合体の結晶化による錯体集積の直接的な観測を試みる。
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