2018 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲マニピュレーションを実現する刺激応答性ハイドロゲルリンクルの創成
Project/Area Number |
18J10396
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 雅俊 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | リンクル構造 / ハイドロゲル / 刺激応答 / パターニング |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイドロゲルは水を多量に含んだ弾性体であるため、従来の表面構造の形成手法の適用が難しい。一方で、リンクル構造に代表される表面の三次元構造は材料表面の機能化を可能とする。本研究では、電場印加により高分子電解質をゲル表面に集積することで高弾性率の薄層を形成させ、ゲルとの弾性率差によりリンクル構造を誘起させることを目的とした。 カチオン性高分子を内包させたハイドロゲル表面にアニオン性高分子水溶液を滴下し、電場印加することでリンクル構造がゲル表面に形成した。このリンクル構造の波長は印加する電場の大きさやゲルの弾性率を変化させることで制御可能であった。このことから、リンクル構造はゲル表面に集積された高分子電解質が互いに相互作用することで形成するポリイオンコンプレックスの薄層とゲル間の弾性率のミスマッチによって誘起されることがわかった。 また、電極表面に絶縁パターンを施すことにより高分子電解質に対する電気泳動が起きる箇所を制限することで、任意の形状にリンクル構造のパターニングを行うことが可能であった。更に、電極を傾斜させることで電場の強度を連続的に変化させると、リンクル構造の波長も連続的に変化した。 温度応答性ゲルにカチオン性高分子電解質を内包させ、アニオン性高分子電解質水溶液をゲル表面に滴下した後、電場印加することでリンクル構造を形成させた。このリンクル構造は外部刺激により消失、また再形成させることが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リンクル構造の形成や解消を十分に制御可能にする刺激応答性ポリイオンコンプレックス層の構築が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
刺激応答性高分子の作製条件の最適化およびリンクル形成条件の最適化に努め、リンクル構造の形成/解消の制御を行う。
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