2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18J10936
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中山 友哉 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 光周性 / 季節適応 / トランスクリプトーム解析 / メダカ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究から季節繁殖の制御機構は明らかになってきたものの、行動の季節変化などの動物の季節適応機構の分子基盤はほとんど明らかにされていない。短日条件から長日条件へと移行した際の脳の時系列サンプルを用いて、DNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析が実施されたところ、多数の転写産物やシグナル伝達経路が長日刺激によって変動していることが明らかとなった。その中には長日条件移行後にほかの転写産物に先駆けて誘導される機能未知な長鎖ノンコーディングRNAであるLDAIRが含まれていた。LDAIRノックアウト(KO)メダカを用いたトランスクリプトーム解析を行ったところ、LDAIRはストレス反応に関与するコルチコトロピン放出ホルモン受容体2(CRHR2)を含む近傍遺伝子の発現を制御していることが明らかとなった。LDAIR KOメダカを作製し、ストレス応答を評価したところ、長日条件で飼育された野生型のメダカはLDAIR KOメダカと比べてストレスに敏感であり、危険な状況を避けることが明らかとなった。以上の結果より、LDAIRによるCRHR2の日長制御は繁殖期における自己防衛行動を制御していることが明らかとなった。 メダカは春に繁殖を開始し、秋に繁殖を停止する長日繁殖動物であるが、動物がどのように秋を感知し、繁殖を停止しているかについては依然として明らかとなっていない。これまでの長日条件から短日条件へと移行した際の脳の時系列サンプルを用いたDNAマイクロアレイ解析により短日刺激に応じて様々な遺伝子の発現が変動することが明らかとなっていた。また、新たにRNA-seq解析からメダカは短日刺激によりいくつかの遺伝子のスプライシングパターンを変化させていることも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA-seqによるゲノムワイドなスプライシングパターン解析から、メダカは短日刺激により多数の遺伝子のスプライシングパターンを変化させていることを明らかにした。加えて、短日刺激によりスプライシングパターンが変化する遺伝子も多数同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はRNA-seqによるゲノムワイドなスプライシングパターン解析を進め、秋季適応に特に重要な遺伝子の絞り込みおよび、RT-PCRにより日長により変化するアイソフォームの構造決定を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Transcriptome Analysis of Spring-Responsive Genes in Medaka (Oryzias latipes)2018
Author(s)
Tomoya Nakayama, Tsuyoshi Shimmura, Ai Shinomiya, Yusuke Takehana, Takayuki Shimo, Takumi Senga, Toshiya Nishimura, Minoru Tanaka, Yasuhiro Kamei, Kiyoshi Naruse, Takashi Yoshimura
Organizer
Society for Research on Biological Rhythms
Int'l Joint Research
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