2019 Fiscal Year Annual Research Report
縮環π拡張重合反応を用いたグラフェンナノリボンの精密化学合成と物性解明
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18J10996
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
矢野 裕太 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | グラフェンナノリボン / リビング重合 / 縮環π拡張反応 / 多環芳香族化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンナノリボン(GNR)はグラフェンをナノメートルサイズに切り出した帯状物質であり、次世代電子デバイスへの応用が期待されている。これまでの研究からGNRの物性はGNRの幅や長さ、エッジ構造に大きく依存することが知られている。そのため、幅やエッジ構造・長さを精密に制御したGNRの合成法の確立が求められている。しかし、既存のGNR合成法は多段階合成であり、幅やエッジ構造の制御は可能だが、長さの制御は不可能であった。 これまでに本研究者が開発したAPEX重合反応は、GNRの幅・エッジ構造に加えて長さをも制御可能である。K領域のみを有するフェナントレンを開始剤、K領域をもたないナフトベンゾシロールをモノマーに用いると、モノマーが開始剤と反応するにともなって、伸長末端に新たなK領域が存在するオリゴマーが生成する。このモノマーはK領域をもたないため、モノマー同士は反応しない。本重合反応はリビング性を有しており、開始剤とモノマーの混合比を変えるだけで様々な長さのFjord型GNRを低分散かつ高収率で得ることができた。 そこで今年度は、異種モノマーを組み合わせることによって、異なる側鎖を有するブロックGNRや幅の異なるGNRのブロック共重合体の合成を行なった。側鎖にアルキル鎖の代わりにトリエチレングリコール鎖を用いた際や幅の広いモノマーを用いた際も問題なく重合反応が進行し、幅・エッジ構造・長さが制御されたGNRを一段階で合成することができた。また、異種モノマーを組み合わせることによって異種GNRのブロックであるGNRヘテロジャンクションの初の精密有機合成も可能にした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)