2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of neural mechanisms on illusory glare perception and the evaluation method
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18J11571
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 雄太 豊橋技術科学大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 明るさ・グレア知覚 / 瞳孔反応 / 脳波 / 光感受性障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1) 錯覚のグレアを生じさせている脳領域の特定、(2) 光感受性障害・眼病患者のグレア知覚量と神経生理学的指標の計測の大きく2つの実験に基づき、錯覚のグレア現象に対して学術的かつ社会的な価値のある研究を目指す。 昨年度までの研究において、異なる明るさコントラストを持つ視覚刺激と眼球運動計測装置を用いて、健常者と光感受性障害・眼病患者が異なる明るさ感を実際の輝度に基づいて知覚しているときの瞳孔反応を計測した。結果として、瞳孔反応としては、健常者と比較して光感受性障害患者は(a) 常態の瞳孔サイズが大きい、(b) 異なる明るさコントラストに対する瞳孔反応は小さい、ことが計測により明らかになった。同時に、色に対する明るさ知覚に関しても並行して実験を行い、健常者に対しては、錯覚のまぶしさ感を誘発するようなグレア錯視においても、”青い”グレア錯視は、他の色と比較してより明るく知覚されることが明らかになった(VSS2018で発表済み、また学術論文(Acta psychologica, under review)として発表予定)。光感受性障害患者に対しては、グレア錯視に対する”錯覚のグレア”知覚が健常者よりも著しいことが主観的な報告より明らかになっているため、輝度を調整したグレア錯視を用いて、色と明るさ感による生理反応を観測予定である。さらに、瞳孔・脳波計測をもとに得られた知見から、主観的なまぶしさ知覚を得ているときの脳活動をfMRIによって計測する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、グレア知覚に対して健常者・光感受性患者の両者に瞳孔計測実験を実施し、その違いがどのように観察されるかを明らかにすることを目的とした。瞳孔変化の観点から、上記したような明らかな違いを両者において観察できており、概ね順調に研究が進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに行ってきたグレア知覚に対する瞳孔計測実験の本実験に引き続き、脳波を同時に計測することで、視覚野における活動の違いと瞳孔散瞳の関係性を明らかにし、主観的にどれくらいグレアを感じているかといった知覚量を、客観的に数値化する関連式の作成を目指す。これまで計測している脳波(SSVEP)と瞳孔縮瞳との比較を行い、情報伝達のフロー(瞳孔から視覚野(SSVEP)、高次脳領域(前頭前皮質)へ)を明らかにする。同時に、得られた知見から、健常者を対象とした錯覚のグレア知覚を生じているときの脳活動をfMRI計測を行うことにより、具体的にどの脳領域がグレアに対して賦活するか調査する。
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