2018 Fiscal Year Annual Research Report
RNA識別・制御を目的とするナノスケール膜場のデザイン
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18J11666
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 望美 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 核酸分子 / 脂質膜 / 水和 / グアニジニウム / スフィンゴミエリン / 協同性 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質生体膜はリン脂質が自己集合して形成する二分子膜構造を有しており,絶えず膜の状態が変化する.脂質膜を生体材料として応用するためには,脂質分子の側方拡散性や膜の表面荷電特性,水和特性は重要なパラメーターであり,それらを十分に理解した設計指針を立てることが求められる. 本研究では脂質膜上での分子吸着系に着目し,脂質膜の親-疎水界面における溶媒環境および水和特性,ならびに分子との相互作用における吸着挙動について体系的に評価した,さらに生体高分子である核酸分子に対して高い親和性をもつ吸着を誘導するための脂質膜デザインの指針を提案した.基礎的な脂質膜の物性評価手法として,脂質膜中に配向させた蛍光分子Laurdanの蛍光波長に対し,複数の溶媒環境を定性的に割り当てる新規評価手法を提案した.また時間分解蛍光解析から,脂質分子中の動的・静的な水分子の存在を明らかとし,脂質膜中の水分子の影響を分子レベルで評価する手法を確立した.これらの知見を総合して脂質膜中に存在する水を排斥するデザインとして,グアニジニウム修飾による膜設計を提案し,分子との高い親和性を目的とした疎水的な膜場の調製に成功した.さらに,グアニジニウム修飾による協同的な分子相互作用の可能性を明らかにした.核酸分子との吸着の結果獲得される膜表層特性や,核酸分子に対する塩基特異的な吸着挙動について評価し,核酸の高次構造ならびに機能を制御するためのナノスケール膜場デザインの潜在性を示した. 上記のとおり,脂質膜界面特性を制御することにより分子吸着現象を促進あるいは分子選択的な吸着現象を誘導でき,さらに自己集合系の構造や機能解明に応用可能な評価手法を確立した.以上の成果に基づき、学術雑誌総説(1報)、学術論文2報(1報は審査中)、国内シンポジウム1件(ポスター賞受賞)、国際会議Oral発表(アメリカ化学工学会)にて成果報告を行った。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)