2019 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナ野生株の遺伝的多様性を利用したアルミニウムシグナル伝達機構の解明
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18J11757
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中野 友貴 岐阜大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | GWAS / ナチュラルバリエーション / 遺伝子発現量多型 / プロモーター多型 / アルミニウム耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界の耕作可能地の約40%は酸性土壌であり、可溶化したアルミニウム (Al) などによる環境ストレスにより作物の生育が阻害されるため、作物への酸性土壌耐性の付与が世界的な育種課題となっている。これまでの研究から複数の酸性土壌耐性遺伝子が同定されているが、それら遺伝子の発現がどのように制御されているかについては不明な点が残っている。そこで本研究では、豊富な遺伝的多様性を持つシロイヌナズナの野生系統を用いたゲノムワイド関連解析 (GWAS) により、複数のAl耐性遺伝子の発現制御機構の解析を行った。 主要なAl耐性機構である有機酸放出に関与するリンゴ酸トランスポーターAtALMT1およびクエン酸トランスポーターAtMATEの発現量GWASを行ったところ、各遺伝子のプロモーター領域へのトランスポゾンの挿入が系統間の発現量多型に大きく影響していることが明らかとなった。AtALMT1ではトランスポゾンの挿入により発現量が上昇しているのに対し、AtMATEではトランスポゾンの挿入は発現量の低下を引き起こしていた。さらに、それらの変異は特定の遺伝的分集団において特異的に保有されている傾向があった。そこで、複数の既知Al耐性遺伝子に関して単一の遺伝的分集団のみを用いた発現量GWASを行ったところ、AtWRKY46やAtTBL27などの耐性遺伝子で分集団特異的に発現量多型に関連していると考えられる遺伝子が検出された。これら遺伝子のさらなる解析により、Al耐性遺伝子の発現制御機構の全体像の解明が期待できる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)