2018 Fiscal Year Annual Research Report
透過型電子顕微鏡を用いた発泡初期現象の直接観察と物理機構の解明
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18J11761
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塘 陽子 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 沸騰 / 発泡初期過程 / 透過型電子顕微鏡 / 液中その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
沸騰熱伝達は電子機器の発熱量増加に対応する冷却技術として注目されおり、安定した冷却開始を保証するためには沸騰開始点における発泡初期の物理機構を正確に理解する必要がある。本研究では、従来の観察に用いられてきた光学顕微鏡よりもはるかに高い空間分解能を持つ透過型電子顕微鏡(Transmission electron microscope: TEM)を用いて液体セル内の水中で起こる気泡生成をナノスケールで直接観察し、ナノスケールの気泡の生成と安定成長の解明を目的とする。 本年度はマイクロ熱センサを組み込んだ液体セルを用いて水の相変化によって発生する気泡の観察を行った。その結果、バルクの水の沸点より高い135 ℃で直径約10 nmの気泡が固体面上に発生する様子が観察された。温度計測と相変化による気泡発生のナノスケール観察を同時に行った例は初めてであり、今後は、古典理論と比較することで相変化による発泡素過程の解明に向けて重要な知見を構築したい。 並行して、昨年度に引き続き、水の電子線照射によって発生する水素気泡の観察も行い、発泡・成長・合体・相互作用をナノスケールで時系列的に調べた。その結果、液体セル内では照射開始直後は不均質気泡核生成が起こり、しばらくすると不均質気泡核生成が起こりうる固液界面があるにもかかわらず、均質気泡核生成が始まることがわかった。これは、固体面上で成長する気泡の周囲ではオストワルドライプニング現象によって新たな気泡の発生が抑制されるためであると考えられる。さらに、気泡の平均成長速度を計測し、気泡の成長は水の分解による気体分子の生成に律速することを明らかにした。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)