2018 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の極性運動の定量解析を通じた、軟骨パターン形成機構の新規モデルの構築
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18J11851
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北嶋 慶一 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 発生 / パターン形成 / 四肢 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、肢芽間充織初代培養細胞のパターン形成過程で、どのような順序でどんな変化が起こっているのかを正確に把握するために、培養系での遺伝子発現や細胞数の変化などといった様々な細胞環境の定量解析を行なった。これによって、5日間ほどに渡るパターン形成の何日目に細胞密度が何割変化するのかなどといった詳細な変化が記載できるようになった。これらの観察結果は、実際の現象とモデルとの比較を行う上で重要な手がかりとなる。 細胞のパターン形成を解析するために、単細胞レベルでの長時間ライブイメージングを複数回行うことに成功した。条件検討の結果、120時間もの長期間にわたって肢芽間充織初代培養細胞の細胞凝集パターン形成過程を撮影することができるようになった。今後は、これらの細胞のパターン形成過程を解析することで、細胞の性質の法則性などを発見できることを期待している。 既に画像解析に着手し、いくつかのデータの数値化を試みており、細胞の性質の傾向性などがわかりつつある。しかし、画像解析のデータ数値化の精度に関しては問題が残り、人間の目で見たときの細胞の振る舞いと、コンピュータに自動認識させた場合の振る舞いとではいまだ大きな違いがある。今後は、より正確なデータの数値化を目指し、これらの差をできるだけ小さくした上で、細胞挙動のモデル化・定式化を進めていく。 また、ゼブラフィッシュのin vivoでの骨数のゆらぎとその発生に関する定量解析に関する研究にも参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたライブイメージングデータの取得を達成した。また、パターン形成に関わっているとされる遺伝子の可視化実験や発現制御実験のための実験環境の構築ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は取得したライブイメージングデータの解析を進める。また、作製したプラスミドベクターなどを使用して、パターン形成に関わっていることが知られている遺伝子の可視化・操作実験の系の確立や観察などを行なっていく。これらの得られた結果を元に論文をまとめていく。
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Research Products
(1 results)