2018 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム内包トンネル構造を利用した室温から150℃で動作する新規熱電材料の開発
Project/Area Number |
18J11857
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 雅博 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 熱電材料 / ジントル化合物 / トンネル構造 / 金属間化合物 / 低熱伝導率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,トンネル構造を有するNa-Zn-Al-Sn系化合物の熱電特性(無次元性能指数ZT (= (s^2・σ)T/κ, S:ゼーベック係数,σ:導電率,κ:熱伝導率,T:絶対温度))を明らかにすることである.そのため,各化合物の緻密焼結体を作製し,S,σ,およびκを測定することでZTを求め,熱電材料としての性能を評価した. hP-Na2ZnSn5(準安定相)のインゴットを粉砕し圧粉成型したものを523 Kで36 h加熱した.この焼成体を粉砕,圧粉成型,523 Kで36 h加熱する工程を3回繰り返すことで,tI-Na2ZnSn5(安定相)の単相試料を合成した.また,構成元素の単体とNaSnの粉末を原料とした固相反応法により,Na2+xAl2+xSn4-x(-0.24≦x≦-0.10)の単相試料を合成した.これらの試料を加圧焼結させた緻密体(相対密度97~100%)の熱電特性を評価した結果,tI-Na2ZnSn5とNa2+xAl2+xSn4-xの室温でのZTは,それぞれ1.2×10^(-4)~1.1×10^(-3)と0.15~0.40と算出された.Na2+xAl2+xSn4-xが室温で高いZTと低い格子の熱伝導率(0.38~0.44 Wm^(-1)K^(-1))を有し,室温付近で利用可能な熱電材料の母物質として優れていることが明らかにされた. Na2+xAl2+xSn4-xのAlの一部をZnで置換した固溶体を作製し,熱電特性を評価した.Snに富む原料組成の試料ほど室温のZTが高い傾向があった.Na1.72Zn0.17Al1.55Sn4.28の原料組成の緻密焼結体は,Zn置換前の試料よりも高い室温のZT(0.46)を示した.このZTの増大は,Na2+xAl2+xSn4-xのxの減少とAlのZn部分置換によりキャリア濃度と電子構造が最適化されたためと考えられた.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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