2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18J11905
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永井 隆之 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 誘電体 / 光誘起効果 / ワイドギャップ酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は革新的なフォトエレクトロニクスの創出を目指し、光照射によって誘電率が変化する効果(光誘電効果)を示す物質の探索とその発現メカニズムを明らかにすることを目的として研究を行っている。これまでの研究で我々は、光励起キャリアの移動度に着目した物質設計指針を提案し、赤外放射温度計を用いて独自に構築した光照射下誘電率測定システムを用いて、広いバンドギャップを有するAl酸化物LaAlO3とBaAl2O4にZnを置換した物質や還元焼成したLaAlO3において光誘電効果を発見してきた。これらの物質で観測された光誘電効果は従来報告されてきた光伝導に起因する光誘電効果と異なり、誘電損失の増大を伴わず、MHz以上の周波数域まで誘電率の変化が観測されることから本質的な光誘電効果であると結論される。これらの結果に基づき本年度は、特に(1)BaAl2O4系で観測された本質的な光誘電効果の発現機構の解明と(2)BaAl2O4系で観測された光誘電効果の様々な外部パラメータによる制御を試みた。以下に主な実施内容と成果を示す。 (1)Zn:BaAl2O4で観測された光誘電効果の起源を調べるために、分光エリプソメトリーを用いて電子分極領域における光照射下誘電分散測定を行った。測定の結果、電子分極領域では光照射による誘電率の変化は観測されず、光誘電効果の発現には双極子分極あるいはイオン分極の変化が寄与していることがわかり、光誘電効果の発現機構の解明に向けて大きな知見を得た。 (2)光誘電効果のZn置換量依存性を調べた結果、Znの置換量に応じて、光誘電効果の大きさを最大約30%まで自在に制御できることが明らかになった。さらに励起光のエネルギーを変えることによっても光誘電効果の大きさを制御できることがわかり、光誘電効果の発現機構解明だけでなく応用開発に向けても重要な結果を得た。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)