2019 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶の配向集積の制御による秩序構造体の構築と機能開拓
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18J11944
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高崎 美宏 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 配向集積 / ナノ結晶 / バイオミネラル / オリエンティッドアタッチメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様な物質系を対象とするナノ結晶の配向集積技術の確立を目指し、軽量高強度材料の開発に向けた炭酸カルシウムナノ結晶の階層構造作製と、機能性ナノ結晶の配向配列による新機能開拓を行うものである。 平成31年度における研究では、炭酸カルシウムナノ結晶の熱的挙動の詳細な検討、さまざまな機能性ナノ結晶の秩序配列体および複合構造体の作製と評価、海洋微生物の有するグアニン結晶秩序配列体の光学特性についての検討を行った。 第1に、バイオミネラルに類似した大規模かつ高強度な秩序構造体の作製を目指す研究テーマでは、炭酸カルシウムナノロッド集積体の高強度化を目指し、炭酸カルシウムナノ結晶の表面イオンの熱的挙動について詳細に検討した。その結果、炭酸カルシウムナノロッドが、融点以下で表面イオン拡散を生じて小さな粒へと分裂する新たな熱的挙動を見出した。これはバイオミネラルの構造の解明につながるばかりでなく、新規な生体材料の合成につながる有益な知見である。 第2に、ナノ結晶配向集積技術を応用した機能性ナノ結晶秩序配列体作製および評価に関する研究テーマでは多くの進捗があった。まず、移流集積によって得られる結晶方位のそろった集積範囲(ドメインサイズ)の拡大を達成した。有機分子添加量や分散媒の最適化により、これまで数百nm程度であったドメインサイズをマイクロメートルスケールに拡大することができた。さらに、ナノ結晶集積体の機能開拓として、異種ナノ結晶の交互積層体作製と評価を行った。特に、酸化鉄と酸化コバルトのナノブロックの単層交互積層体について、強い交換相互作用に由来する特異な磁気特性を発現することを見出した。 第3に、ナノ結晶集積の応用範囲を拡大し、配向集積体の対象を有機物にも展開した。海洋微生物であるサフィリナが有するグアニン結晶の集積構造とその機能について、詳細な構造および光学特性を解明した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)