2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J12369
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北原 一利 豊橋技術科学大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | フッ素化合物 / 不斉合成 / キラルアミン触媒 / 塩素化反応 / 脱炭酸反応 / SN2反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
フッ素原子を生物活性物質に導入することでその生物活性が向上する例が多く報告されているため、フッ素化合物の効率的な合成法の開発が求められている。しかしながら、第三級フッ素化合物の合成方法は十分に確立されていない。当研究室では以前に、独自に開発したキラル一級アミン触媒存在下でβ-ケトカルボン酸の脱炭酸的塩素化反応が円滑に進行し、第三級塩素化合物が高エナンチオ選択的に得られることを見出している。そこで当該年度は、α―フルオロ-β-ケトカルボン酸を反応基質とした同塩素化反応によりα-クロロ-α-フルオロケトンの不斉合成を行った。本反応ではテトラロンおよび4-クロマノン誘導体から合成したα-フルオロ-β-ケトカルボン酸を用いた際に高いエナンチオ選択性で目的とするα-クロロ-α-フルオロケトンが得られた。一方で、インダノン誘導体や鎖状の基質を用いた場合はエナンチオ選択性の低下が見られた。また、α-ブロモ-β-ケトカルボン酸を反応基質として用いることで、α-ブロモ-α-クロロケトンの高エナンチオ選択性な合成にも成功した。さらに、得られたα-クロロ-α-フルオロケトンのアルキルチオールやアジ化ナトリウムを求核剤としたSN2反応を行った結果、対応するα-フルオロ-α-スルフェニルケトンおよびα-アジド-α-フルオロケトンが光学純度をほとんど損なうことなく得られることも見出している。本研究で合成したフッ素化合物のほとんどはラセミ体としても合成報告がない新奇な化合物である。本手法ではこれらの化合物を高いエナンチオ選択性で合成できるため、今後、医薬品化学への応用が期待できる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)